第55話(3章終了)
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〜夜・特務支援課〜
「―――そうか。その名前が出てきたか。”真なる叡智”………」
ロイド達の報告を聞いたセルゲイはロイド達に背中を向けて外の景色を見ながら重々しい様子を纏わせて呟いた。
「………課長、教えてください。6年前に兄が関わったという、ティオを拉致した教団―――”D∴G教団”について。」
「当然…………課長はご存知なんですよね?」
「最初っからティオすけの事情を知ってるような感じだったしな。」
「………………」
レンが黙り込んでいる中ロイド達に尋ねられたセルゲイは黙り込んだ後振り向いて話を始めた。
「―――俺が知ってるのは当然だ。当時、ガイと共に教団のロッジの一つを制圧した当事者だったからな。」
「そ、そうだったんですか!?それじゃあ課長は、兄貴の―――」
「直接の上司だった。………当時から俺はちょいとハミ出し気味でな。ある時、規格外の新人を2人も押し付けられちまったんだ。そのうちの一人が、お前の兄貴だ。」
「あ…………」
「直接的で無鉄砲だったが………ヤツは優秀な捜査官だったよ。いい意味で、もう一人の新人と好対照な組み合わせだった。」
「もう一人の新人の方というのは……?」
「ひょっとしてあの一課のダドリーとか?」
セルゲイの話を聞いていてある事が気になったエリィとランディは質問し
「いや、ヤツは生粋の一課上がりの男だ。俺が受け持ったもう一人の規格外の新人……―――それがあの、アリオス・マクレインだ。」
「ええっ!?」
「あの人、元は警察の………!?」
「うふふ、いつもコートを身に纏っているアリオスおじさんの刑事姿なんて全然想像できないわね♪」
セルゲイの答えを聞いたロイドと共に驚き、レンは小悪魔な笑みを浮かべていた。
「数年前に警察を辞め、遊撃士に転向しちまったがな。警察が遊撃士協会に微妙な距離感を持っている理由の一つでもあると言えるだろう。」
「なんとまぁ……」
「というか警察が遊撃士協会に対して微妙な距離感ができた経緯もパパの時と微妙に似ているわね。」
「兄貴とアリオスさんが同期の新人同士だったなんて………」
「年齢はアリオスの方が2つばかり年上だったがな。」
自分の話を聞いて驚いているロイド達にセルゲイは話を続けた。
―――既に結婚して、娘も生まれたばかりのアリオスはとにかく生真面目すぎる男だった。一方ガイは、奔放で無鉄砲でとにかく前向きな馬鹿野郎だった。そんな2人だからこそ、逆にウマが合ったんだろうな。わずか2年足らずで、あいつらはクロスベル警察最強の若手コンビと言われるようになった。
「…………………………」
「
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