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SAO−−鼠と鴉と撫子と
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するとソフトが破損するんだよね、あれ。と明るく戯けるが周囲の付き人たちの表情は固い。
皆が皆、糸口のない解決策に手をこまねいている状態なのだ。

「ナーヴギア自体をいじってログアウトは出来ないんですか?」

「うん、それも試したけど全部無理だった。外すのもバッテリー切れも外部破損も、おまけに回線遮断も無理で実際に死人まで出てると、手が出せないよねぇ、一般人には」

恐らく、今俺の思いつくことなんて全て試した後なんだろう。だからこそココで今、こんな世間話に興じるしか無い。
何よりも開発したのは、日本一の頭脳とも言える茅場明彦だ。彼が計画の首謀者というからには、外部からの救出手段は本当にないのだろう。

「だけど、生還の為なら手がないわけじゃない。だって既に茅場さんから明確な救出法は出てるじゃない」
「それは……どういう?」
「簡単だよ。外部からの救出は無理なら、内部からクリアするのを助ければいいんだ」

ここにきて、やっと疑問の一つが解消されてきている。どうして、俺が呼ばれたか?が嫌な方向で。

「そのアイデアで残りの10個の内、8個のソフトで警察やら自衛隊やらとにかく戦闘のスペシャリストを送ったんだ。結果はどうなったと思う?」

「まさか、全滅?」
「いや、二人だけ生きてるよ。残りは3日と待たずに死んだ」

ケロリ、ととんでもないことを口にされ、思わずまだ握っていたフォークがカタンと転がった。
オマエの采配で6人が死んだってことなのに、なぜこの男はこうも平然としていられるんだ?

「提案者ではなかったとはいえ、僕もさすがに落ち込んだよ。まさか精鋭中の精鋭がどこぞの軍隊ならともかくデータの群れに殺されるとは夢にも思わなかった。」

菊岡が食べる苺から赤い汁が溢れる。ゾクリ、と寒気がした。
「増援を送れっていう上からの指示に僕はさすがに反論した。戦場が海でも陸でも、空でもないのに自衛隊送ってどうするんですか?ってね」

「送るなら、プロ。それもたまたまβテストを受けたのにソフトを眠らせていただけだった大学生を、と?」

頷かれも否定もしない顔に予想が外れていなかったことに気付く。

こいつ、どんだけクレイジーなんだよ。

「作戦はキケンが高いが、成功させなければならない。存命の8500人の命が掛かっている」

恐らくこれが現実での事件なら警察は2日もあれば解決できたはずだ。
自衛隊の圧倒的な制圧力の前では如何なる事件も解決できるだろう。

だが、これは剣の世界での事件。右も左も分からぬ物を潜り込ませて死なれては其れこそ手詰まりだ。
必要なのは情報と技術。
それも、開発側ではなく、ユーザー側の生のもの。

「現在、βテストで最上位層まで上り詰め、日本にいるのは烏合裕介くん、キミ
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