第六章
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「確かに不幸ですね」
「そうですね」
「それも続いています」
「お祓いしようかとも思っていました」
「それもされたいと思うなら拙僧は止めませんが」
「それでもですね」
「お聞きした限りでは小さな不幸かと」
そうしたものであるというのだ。
「お言葉ですが」
「お言葉ではないです」
「ならいいですが、それで」
「天空さんがお聞きした限りではですね」
「貴女の不幸は小さな不幸、しかも」
尚且つというのだ。
「どれも怪我をしたりなくしてもいませんね」
「そういえばそうですね」
「ボールにぶつかっても定期券を落としても」
「そこまではいっていません」
「不幸は続いても」
「それは小さな不幸ばかりで」
「大事には至っていません」
どれもというのだ。
「ですから」
「不幸だと思わずに」
「むしろどれも大事に至らなかった」
「そう思うことがですか」
「よいかと」
こう美桜に言うのだった。
「その様にです」
「そう考えるべきですか」
「ついていないことも」
それでもとだ、天空も言うのだった。
「そう思えば」
「考え、視点を変えれば」
「また変わります」
「確かに。言われてみますと」
美桜もだ、天空の言葉を受けて言う。
「笑う角にはっていいますね」
「はい、笑っていますと」
「自然と心も弾んで」
「幸せを感じる様になり」
「幸福もやって来るんですね」
「そう言われていますね」
「確かにそうですね」
こう言うのだった、自分に言い聞かせる様に天空に。
「笑った方がよくて」
「辛い時でも」
「ついてるって考えれば」
「それでかなり違います」
「プラス思考ですね」
要するにともだ、美桜は言った。
「つまりは」
「はい、今風に言いますと」
「わかりました、ちょっとやってみます」
「そうして下さい」
こう笑顔で言うのだった、そしてだった。
美桜はこの時から前向きに考えていくことにした、いつも笑ったうえで。そのうえでこの時は天空と別れることにしたが。
ここでだ、こう言ったのだった。
「お茶と羊羹美味しかったです」
「おお、それはいいことですね」
「このことがですね」
「はい、もうです」
それこそとだ、天空は美桜に笑顔で言った。
「いいことです」
「そうですよね」
「悪いことを考えるよりいいことを考えて」
「いいことがあればですね」
「素直に喜んで忘れないことです」
「それがいいんですね」
「その通りです」
「わかりました」
笑顔でだ、美桜は言った。そうしてだった。
美桜はこの時から出来るだけいいことを考えていって笑って自分に起こったいいことを覚えていった。すると。
すぐにだ、クラスメイト達にこうしたことを言える様になっ
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