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【短編集】現実だってファンタジー
つぶやき総集編
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分かったー!照れてるんだ!照れ屋さんだなぁラメトク!じゃあ私の方からラメトクに迫っちゃうもんね!受け止めて私の愛っ!』

 瞬間、鞘に納めていたエペタムが凄まじい速度で引き抜かれて俺の脳天に迫った。
 俺は溜息を吐きながら――唯一世界の誰のも負けない「真剣白刃取り」でそれを受け止めた。

『あぁん、イケズぅ……でもラメトクの手のひら、あったかい……ラメトクに包まれて幸せ!刺さったらもっと幸せ!刺させて!』
「ダメです死んでしまいます」
『死んでも愛してる!!死体を微塵に切り刻んでラメトクの血を全身に浴びたらもう私死んでもいい!!』
「愛がヘヴィーすぎやしませんかねぇ!?」

 これだこのダイナミックすぎる行動が問題なんだ。封印の鞘を使って死に物狂いで抑え込んで以来、このエペタムは滅茶苦茶俺に迫ってくる。元々刺さるの大好き多感な御仁だったようだが、俺のことが気に入りすぎて最近はずっと俺から離れない。
 そう、腰に差してるんじゃなくてエペタムが封印の鞘ごと強引に浮かび上がって俺にひっついているのである。鞘なかったら俺串刺しだよ。おかげで寝てるときは鞘からエペタムが飛び出さないように抱きしめて寝ないといけない。幸い俺に抱かれるのが嫌じゃないらしいエペタムは抱きしめると大人しくなるのだが、毎晩毎晩が綱渡りだ。

 要するに、だ。俺が英雄として称えられる理由になったほとんどの物事が、実はこのヤンデレソードが愛の力でやったことなのだ。俺はその愛が暴走しないように必死で真剣白刃取りしまくっていたセーフティーなのだ。

『いつも私を抱きしめて、正面から受け止めてくれるラメトクが……大好きっ!!』
「俺が受けとめないと俺の周囲が血の海なんだよねー!!ああもうチクショー封印の鞘以上の封印の力を探して旅に出たい!!」
『旅先でも私を抱いてくれる?抱いてくれるよね!浮気は許さないんだからね?もし半径1メートル以内に私以外のニンゲンを入れたら全部輪切りにして汚い地面にぶちまけちゃうんだからっ♪』
「世の為人のために絶対させねぇよッ!今回は不覚を取ったが次は射出先で白刃取りしてやる!」
 
 俺には唯一つだけ、磨いた業がある。
 対エペタム究極奥義にして数多の命を救う奇跡の業――真剣白刃取りが!!
 
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