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【短編集】現実だってファンタジー
つぶやき総集編
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ほら、俺の腰で大人しくしていた「あいつ」が、戦いの気に中てられて目を覚ましてしまった。



『ラメトクを襲う?ラメトクと死合う?ラメトク……ラメトクの血肉や命はぁ、私のモノだぁ……渡さない許さない殺してやる!生まれてきたことを後悔しろ!ラメトクと私の超克的な絆に指一本でも触れる存在は臓物と脳梁をぶちまけて死ねッ!死ねぇぇぇーーーーッ!!』



 瞬間、人間の反応速度を遙かに超えた速度で俺の腰から『剣』が飛び出した。

 おそらくドウセツさんには全く見えなかったろう。その剣は「勝手に空を飛び」、雷のような速度でジグザグに飛行しながら彼の腹に深々と突き刺さっていたのだ。まさに人間の所業を越えた、神がかった速度だった。
 ……本当に、この剣は。俺の意志を完全に無視しておっさんを殺しにかかっているが、運のいいことに鎖帷子を仕込んでいたおっさんは致命傷を免れている。俺は全力で手を伸ばし、勝手におっさんの臓物を抉ろうとする剣を抜き取った。

 おっさんが意識を失ってドサリと倒れる。出血がひどいが、秘伝の薬で傷は何とかなるだろう。ギリギリ助かりそうでほっと胸をなでおろす。俺はすぐさま剣を強引に鞘にねじ込み、おっさんを集落へ運んだ。

 おっさんの手当てが終わった頃、鞘からものすごく不満そうな声が漏れた。

『何で邪魔したのラメトク?あの愚物はラメトクと私の愛しく美しい絆に触れようとしたのよ?許されざる愚行よ?死刑決定よ?ねぇどうして私のこと邪魔したの?私のコト嫌いになったの?でも大丈夫。私はいつもラメトクのこと愛してるよ?だからラメトク、私をラメトクのお腹に突き刺して?』
「お前と言う奴は………ああもう、お前の話を聞いていると頭が痛くなるよ」
『頭いたいの?大変!病気じゃないよね!?私、剣だから出来ることって全然なくて……ええっと、痛いの痛いのトンデケー!!』
(なんでそういう気遣いが出来るのに俺の腹に突き刺さろうとしたんだコイツは……)

 俺が持っているこの剣、実は大昔に作られた呪いの剣「エペタム」と言う。
 伝承ではこれの使い手は最強の戦士になれるという話なのだが、この剣を使いこなすのは不可能である。理由は簡単、剣が自立した意識を持って動き回るからコントロール不能なのだ。

 しかもご覧のとおり性格がヤバい。本人曰く、「斬る」のは本能で、「刺さる」のは愛情表現らしい。なにそれこわい。怖すぎて先人も封印していたらしい。それをアレこうしてほんにゃんかんにゃんぷっぺらぺーした結果、いつの間にか封印が解かれて暴れるエペタムを俺が止めるという話になっていた。どういうことなの。嘘だと言ってよ長老。

『ラメトク?ラメトク……ぐすん、ラメトク、私の事無視するの?でもラメトクは優しいから理由があるんだよね、私知ってるよ?あ、
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