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【短編集】現実だってファンタジー
つぶやき総集編
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が重要な解釈ポイントになっている。加速とはつまり停止や停滞がない事を表し、加速こそが宇宙の始まりであるビッグバンと宇宙の終焉であるエントロピー終焉を端的に表す究極法則であり、この法則に触れた者は現在、過去、未来という時空間を超越した発想や思考を得ることが出来る。
 また、これは未だに研究中の分野だが、車輪が回るガラガラという不思議な振動が知的生命体の持つ固有アストラル波長と一致しているという仮説が存在する。もしもこの仮説が立証されることになれば、全ての人類が加速のエネルギーの正しい在り方を理解し、世界から無用な争いが消え去る日が来るであろう。

 そして忘れてはならないのが、加速のエネルギーとは宇宙の終焉をも突破する無限の可能性を秘めていることだ。残念なことにこの無限の可能性を正しく観測できる存在は、この世界のどこかに存在するオリジン台車と同位体の台車に乗った人間、すなわち理論上の世界にしか存在しない「台車男」のみである。
 そしてオリジン台車が人類の手に届かない宇宙の中心部に存在するという公算が高く、現在の人類の文化レベルでは同位体を作り出せる確率が0,0000000000000000000000500103%である以上、これを製造することが不可能に近いことは数値を見るに明らかだ。また、オリジン台車に迫る行為とはすなわち恐竜の冒した禁忌に匹敵する行為であることが古くから示唆されている。西暦1999年のノストラダムスの大予言も、当時のノストラダムスが「西暦1999年の技術力において初めてオリジン台車の同位体を製作しうる可能性が人類内部で誕生する」という仮説を加速エネルギーの中から受け取ったことを起点としていることからも、これがイカロスの翼以上の危険性を孕んでいることは明らかだろう。

 我々は恐らく永遠に答えには辿り着けないのだろう。
 しかし、辿り着けないのならばそれが台車の意志であり、この世界が正しくある事の証左なのだ。

 だが、もしも。

 もしもこの世界にオリジン台車の同位体に乗る「台車男」が現れたとしたならば――それもまた、台車という絶対真理が必要として生み出した存在なのかもしれない。

 人類史には何故か頻繁にこの「台車男」が救世主として登場する伝承が多く散見される。これは解読不能とされたイースター島の文献にも登場し、文献内で唯一台車男の部分のみが解読された事からこの文献は旧宇宙における知的生命体が残した台車と台車男に関する重大な謎を書き記したものであることは想像に難くない。

 なお、「台車男」の「男」とは日本語における男性の事ではなく、救世主を表す古代台車語の「オトゥーウェグ」を日本語に直した際に付けられた当て字として大和朝廷誕生以前から存在したものである。そのため実際には「台車男」には女性も含まれるとするのが
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