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杞憂
第三章

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「何もわかってなかったな」
「そうだろ」
「戦争は自分がしないと言ってもな」
「起こる場合もあるだろ」
「ああ、それにな」
 さらに言う彼だった。
「軍隊を整えてちゃんとした法案も整備した方がな」
「ずっといいだろ」
「下手に中立とか非戦とか無防備とか言ってもな」
「逆に攻められるな」
「攻められた国あるからな」
 昌也も言った。
「一次大戦の時のベルギーとかな」
「ドイツに攻められたな」
「そうしたことがあるな」
「だからだな」
「ああ、それに中立を言ってるスウェーデンとかあるけれどな」
「あの国凄いだろ」
「物凄い軍備だな」
 このこともだ、昌也は学んで知った。
「昔からな」
「それこそグスタフ=アドルフ王の頃からな」
「強い軍隊持ってるな」
「強いからだよ」
 徹も言う。
「あの国は中立でいられるんだ」
「そういうことだな」
「そしてあの国はな」 
 今度は徹から言った。
「徴兵制だろ」
「欧州そんな国多いな」
「かといっても戦争になってないな」
「そうだな」
「そうしたこともわかったな」
「ああ、それにな」
 昌也ははっきりとした声で言った。
「徴兵制なんて今の日本じゃな」
「自衛隊の求人倍率でわかるな」
「ああ、しかも今の軍隊はな」
 自衛隊も含めてだ、昌也は言った。
「技術の専門家でな」
「プロフェッショナルだろ」
「ああ」
 その通りだとだ、昌也は徹に答えた。
「だからな」
「徴兵制をしてもな」
「二年か三年で辞めるからな」 
 徴兵制で兵士を入れてもというのだ。
「戦力にならないな」
「そうなんだよ」
「北朝鮮みたいにしたらな」
「あんなのやっていけるか?」
「実際国家財政破綻してるだろ」
 その異常な軍備によってとだ、昌也も言った。
「あんな軍備馬鹿だろ」
「ずっとやってるとな」
「産業も育てないとな」
「というか軍隊には兵器が必要だがな」
「軍事関係の産業ってな」
「金にならないんだぞ、企業側も」
「設備や技術への投資ばかり凄くてな」
 このことについてもだ、昌也は学んで知ったのだ。
「市場は限られていて」
「だから案外儲からないんだよ」
「死の商人とかないか」
「昔は知らないがな」
 今はというのだ。
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