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恋姫無双〜2人の御使い〜
第3話
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 3人のうち2人は、あっさりと久遠によって始末されたのだが。
 残り1人が暢介を狙ってきた。

 暢介自身、無我夢中で剣を振っていた。
 教えられた振り方とかそんなものは、頭から吹っ飛んでいた。

 あったのは殺されるかもしれないという恐怖。
 うっすらと浮かんでいた、自分の死体の光景を振り払う様に。

 やがて、鈍い手ごたえを感じ、手を止めた暢介の視線に入ったのは賊の死体。
 今、自分が殺した賊の姿だった。

 吐き気はすぐに来た。
 止めようがないその吐き気に暢介は吐いた。

 吐いていた暢介の背中を久遠が擦る。

 「悪い……覚悟はしてたんだけどな」

 「いいえ。初めて人を殺してこの反応は正常ですよ」

 「そうかな」

 「そうですよ。人を殺して何とも無い人の方が問題ですよ」

 そう言いながら久遠は暢介の背中を擦り続けた。



 「慣れていくしかないよな……」

 「ん? 何か言いましたか暢介?」

 「いいや独り言だよ。それより、どっちに向かってるんだい久遠」

 「南です」

 そう言って、2人は南に向けて歩を進める。
 
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