12.麻耶さんのワッシャワッシャ
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だからありがと。提督の孫がかずゆきでよかったよ」
そう言ってくれるとぼくもうれしい。爺様の孫でよかった……そうやって疲れきった頭でぼんやり考えながら、鈴谷が持ってきてくれた肉を食べ尽くした時だった。
「おう……和之」
僕と鈴谷の前に、摩耶さんと鳥海さんが来てくれた。摩耶さんは両手に肉がてんこ盛りの紙皿を持っている。その摩耶さんの少し後ろで、鳥海さんが微笑みながら僕らを見つめていた。
「は、はい?」
「和之……肉、持ってきてやったぞ」
「あ、ありがとうございます」
「おらっ……鈴谷も……」
「あ、ありがと……」
僕と鈴谷につっけんどんに差し出された紙皿。僕らが受け取ったその紙皿には、こぼれ落ちてしまいそうなほどに焼けた肉がてんこ盛りに盛られている。こぼれ落ちてしまわないよう、注意深く受け取った。
「あのさ」
「はい」
「礼を言わせてくれ。お前に」
「はいな?」
「アタシたちのためにひこざえもん提督の告別式をやってくれて、本当にありがとな」
「……」
「直接言いたかったんだ。お前には、本当に感謝してる」
摩耶さんは、言葉を選びながらゆっくりそう言ってくれた。……よかった。彼女は爺様とお別れするタイミングを探していたみたいだった。今日がそのタイミングになったんだとしたら、告別式を開いた甲斐があったってもんだ。
……でも、それと同時にちょっとした疑問が生まれた。直球で聞いてみるか。
「でも摩耶さん」
「あン?」
「んじゃ告別式の会場で会ったとき、なんでぶっきらぼうだったんですか?」
「ああ、あのときか……」
そうだ。摩耶さんのあのとげとげしい態度。あれはどう考えても“あとで直接お礼を言いたい態度”には見えない。今思い出してもそうだ。あれはどう考えても、僕に対して敵意むき出しか、あるいは……
摩耶さんはほんのり赤いほっぺたをポリポリとかきながら、ちょっと恥ずかしそうに答えてくれた。
「……なんかさ。アタシ混乱したんだ」
「?」
「お前を見たときにさ。すぐに和之だってわかったよ」
「爺様に似てるからですか?」
「違う。なんかさ。お前を見たときに、すごく懐かしくなったんだ」
懐かしい? 懐かしいって何だ? 摩耶さん、なんか不思議なことを言う人だな……
「アタシもよくわかんないんだけどさ。なんかお前を見たときにすごく懐かしいって思って……」
「……」
「んでさ。“おっきくなったなー”とか、“変わってないなー”って思ったんだ」
「そうなんですか? 爺様から僕の話を聞いてたからなんですかねぇ?」
「かもしんねーけど、なんかアタシもよくわかんなくてさ。それで混乱しちゃったんだ。ごめんな。ぶっきらぼうな態度とっちゃって」
そっか。別に
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