暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
15話
[13/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
み、片膝を立ててドアに体重を預けていたのは、凰 鈴音その人だった。……昨日と雰囲気がまったく違うことに驚く。今の雰囲気は……なんて言えばいいんだろう。背伸びしているというか、なんというか。

「鈴……? 鈴、だよな?」

「そうよ。中国代表候補生、凰 鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」

 力強く彼女は笑う。……似合ってはいるけど、なんかちぐはぐな感じだ。喋り方の雰囲気やトーンが全然違う。

「……なぁ、鈴? 何で格好つけているかは知らないけど、その、なんだ、似合わないぞ……」

 なんとか言葉を選んで申し訳なさそうに言う一夏さん。一夏さん、言葉を選んでいるように見えるけど、まったく選べてないです。

「んなっ……!? なんてことを言うのよ、アンタは!」

 そのやり取りに小さく笑ってしまう。やはり、鈴さんはこういう活発なトーンの方がよく似合う。

「鈴、後ろ後ろ」

「何よ!?」

 一夏さんは青ざめた顔で鈴さんの後ろを指差す。それにつられて僕もその後ろを見る。……なるほど、そういうことか。
 勢い良く後ろに振り返った鈴さんは背後にいた人物と目を合わせ、一気に目を見開き、そしてその頭に強烈な一?が直撃した。

「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

 織斑先生の登場だった。その登場にセシリアさんと本音さんがそそくさと自分の席に戻っていく。

「ち、千冬さん……」

 昨夜と今の様子から一夏さんと知り合いなのは確定したが、まさか織斑先生とも知り合いだったのか。と、なると昔、鈴さんはあの2人と遊んだこととかがあるのかな?

 だが、織斑先生は私情を持ち出さない。容赦なく冷たい声を鈴さんに浴びせる。

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入口を塞ぐな。邪魔だ」

 その織斑先生の雰囲気に当てられたのか、鈴さんは怯えたようにドアから離れる。しかし、鈴さんは怯えた顔を無くして一夏さんに人差し指を突きつけ、力強く宣言した。

「またあとで来るからね! 逃げないでよ、一夏!」

 ……悪役のような捨て台詞を吐いて鈴さんは姿を消した。しかし、台風みたいな人だな。

「……知ってはいたけど、あいつもIS学園に来たのか。そうか……」

 どことなく嬉しそうな一夏さんの声。腕を組んで頷いている。その様子から、やはり2人は親しい関係なのはなんとなく読み取れた。

「……一夏、今のは誰だ? 知り合いか? えらく親しそうだったな?」

 篠ノ之さんが口火となり、クラスメイトからの質問の嵐が一夏さんに飛び込んでいく。顔をしかめる一夏さん。どうやらこのあとの展開が見えていたようで、そして、自分の発言が失言だとも気づいたようだった。

「席に付け、馬鹿ども」

 織斑先生の出席簿が、騒ぎ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ