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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十六話その2 アンネローゼ様誘拐を阻止します。 
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侯爵討伐任務中なのよ。帝都オーディンにはすぐに戻れないじゃない!」
「心配しないで。私が何とかするわ」

 イルーナはアレーナを安心させるようにうなずいて見せた。

「あなたが?ここに体があるのに、どうやって帝都オーディンに戻ってアンネローゼを守るというの?」
「私ではないわ。転生者は私たちだけではないもの」

 イルーナは微笑んだ。


帝都オーディン――。
エルマーシュ侯爵邸。
■ ヴァリエ・ル・シャリエ・フォン・エルマーシュ
 イルーナ主席聖将・・・ではないわね、イルーナ・フォン・ヴァンクラフト准将から連絡が入った。それを持ってきたのはレイン・フェリル少佐だけれど。『アンネローゼが狙われている兆しあり、ついては二人で護衛してアンネローゼを死守せよ』というものだったわ。この帝都に流れているアンネローゼに関するうわさも、大方敵が流したものでしょう。
 アレーナは私を将来のケスラー上級大将の右腕、つまり憲兵副総監にしたいのか、グリンメルスハウゼン子爵閣下の情報網を私にも使わせてくれている。
 その情報網を使えば、噂の出どころくらいはすぐにわかるというものなのだけれど、問題があるわ。

「レイン。あなた敵が次はどの一手で来るか、予測できるかしら?」

 私の問いかけにレイン・フェリルは顔を曇らせた。彼女と私とは前世ではあまり接点はないけれど、レインの実直な人柄はよくフィオーナから聞かされて知っていたし、私自身も一目見て好感を抱いたわ。アレーナとはえらい違いよ。

「おそらく、噂を流布し、ついでラインハルトか皇帝陛下が大けがをされたなどの偽情報を流し、アンネローゼ様を郊外におびき出したところを始末するのではないかと思われますが・・・・」
「保留付きね」
「はい。いささか早急なようにも思えますので」

 確かにそうかもしれないわ。でも、これまでベーネミュンデ侯爵夫人は幾度となくラインハルト暗殺に失敗している。ラインハルトが無理と悟ったベーネミュンデ侯爵夫人が本来の目標に狙いを変えたのだとしても私は不思議には思わない。

「アンネローゼの身辺を監視強化しましょう。そのうえで彼女がどこかに出かけたら逐一後を付けることにする。それは私がやるわ。あなたは軍の勤務がある。始終監視をするわけにもいかないし、忙しいでしょう?」
「ええ。ですが、お一人で大丈夫ですか?」

 無論よ、レイン。ここではエルマーシュ侯爵令嬢かもしれないけれど、私はただの侯爵令嬢ではないもの。

「何かあれば、あなたに連絡を取るわ。応援をお願いするかもしれない。それに備えて待機していて」

 そう言ってレインを帰すと、私はグリンメルスハウゼン子爵閣下の情報網を駆使して噂の出どころを探った。ところが、噂というものはまるで蜘蛛の巣のような
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