番外 リオINフロニャルド編 その5
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と、シリカお姉ちゃんが言った。
「はいっ!」
「わかりましたっ!」
「頑張りますっ」
と、それぞれの言葉で返し、あたし達はバラバラに戦場を駆けた。
ようやく走らせることは出来るようになったセルクルに跨り、戦場を行く。
パスティアージュの空騎士に制空権を握られまいと後方から砲術師隊の長距離射撃が空に幾つもの光線を描いた。
目の前にはこの間あたし達が掘った堀が見える。
円形に掘られた地面に両サイドから一本ずつ道が伸び、真ん中は闘技場のようなサークルだ。
堀を挟んで対峙するフリーリア軍とパスティアージュ軍。
地上は二軍に分けもう片方はガレット軍と対峙している。
あたしは掘り架かる一本道を進み出て大きく声を上げる。
「ビスコッティの勇者シンクに一騎打ちを申し込むっ!」
【おおっとっ!リオ選手声高らかに一騎打ちを申し出たっ!】
「ビスコッティの勇者シンク、受けてたちますっ!」
【これは面白い対戦になりましたっ!片や劣勢のビスコッティに降臨し破竹の勢いでビスコッティを勝利に導いた勇者シンクっ!もう片方は勇者帰還後に現れ、ビスコッティ陣営としてガウル殿下と引き分け、その後のフリーリアとの戦ではアイオリア殿下との一騎打ちで健闘したリオ選手の一騎打ちだーーーっ!】
おおおおおおおおっ!
歓声が響き渡る。
さらに続く実況に耳を傾ければ、別の堀ではガレットとにらみ合い、あたしと同じようにアインハルトさんがナナミさんに一騎打ちを申し込んだようだ。
セルクルを降り、道を引き返させると、シンクさんは軽やかな仕草でセルクルからジャンプ。
空中で体を捻りながら現れた白地に黒と金で装飾された棒…もとい、聖剣パラディオンを空中キャッチ。かっこよく着地してみせた。
そう言う所は流石に勇者、似合っている。
相手が聖剣持ちと言う事で、あたしも腰から小太刀を二本抜き放つ。
アオお兄ちゃんから今回の戦のために貰った数打ちの刀だ。
「へぇ、二刀流。宮本武蔵みたいだね」
ミヤモトムサシって誰でしょう?
シンクさんの世界の剣豪かな?
互いに武器を構えると視線が交差した。
「行きますっ!」
「来いっ!」
後ろからこの隊の指揮を任せられていたフェイトお姉ちゃんの声が響く。
「堀を回避して一班、二班は右へ、残りは左からビスコッティ軍を殲滅せよっ!」
おおおおっ!
あたし達の戦闘開始が合図になったのか、両軍が円形の堀を左右に分かれて進軍し、激突した。
あたしは手に持った二刀を振り上げ、一足で距離を詰める。
「御神流、『虎乱』っ!」
まずは様子見と、この二週間で覚えた小太刀の二連撃を打ち込む。
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