第62話
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右も左もわからず、困っていた所を助けてくれて………オークション会場まで案内してくれてわざわざ付き添いまでしてくれた……あなたと、そちらの女性のようないかがわしい関係ではありません!」
「ぐっ………」
女性に睨まれた男性は唸った。
「フフ、僕としてはそれ以上の関係になってもいいんだけどね。―――ねえ、奥さん。そんな薄情なご主人なんか放ってこのまま僕と火遊びしてみない?奥さんみたいな健気で可愛い女性、キライじゃないしさ。」
するとその時ワジが静かな笑みを浮かべて状況をより悪化させるような事を言い
「ワ、ワジ君、そんな……t」
ワジの言葉を聞いた女性は頬を赤らめ
「き、君ぃ!人のワイフに色目を使うのは止めてもらおうか!」
男性はワジを睨んで怒鳴った。
「ああもう………これ以上付き合ってられないわ。ジェイムズさん。火遊びをするんだったらもう少し上手く立ち回ってよね。まったく、とっとと他の招待客をひっかけないと………」
その時男性の隣にいた女性は呆れた後、その場から去り
「ニ、ニキータ君……!」
去って行く女性を見た男性は焦った。
「や、やっぱり仕事上の付き合いなんて嘘でしたのね!?も、もう愛想がつきました!私、このまま実家に帰らせてもらいます!」
男性の様子を見た女性は怒りの表情で男性を睨んで叫び
「エヴェリン、そんな……!」
女性の叫びを聞いた男性は焦り出した。
「な、何だかお邪魔しちゃ悪そうね………」
「………えっと、俺達はこれで失礼させてもらうよ。」
(将来、ロイドがこうならないように教育しないとね…………)
「フフ、それがいいね。―――また後で。宴を楽しんでくるといい。」
一連の流れを見ていたエリィとロイドは表情を引き攣らせた後、ワジに見送られ、広間を去った。その後探索を続けた2人はマフィアが守っている部屋に気付き、近づいた。
「―――お客様。申し訳ありません。こちらはスタッフ専用の部屋になっておりまして。」
近付いて来るロイド達に気付いたマフィアはロイド達に近づいて注意した。
「ああ、それは失礼。広すぎて迷ったみたいだ。(マフィアが詰めている待機場所って所か……?)」
マフィアの注意にロイドが頷いたその時、扉の中から何かが動く音が聞こえ
「おい、ちゃんとリスト通りに揃っているんだろうな!?」
「ああ、前半の出品物はそろそろ会場に運び出すぞ!」
さらに扉の中から人の声が聞こえて来た。
「チッ、アイツら………」
声を聞いたマフィアは舌打ちをして扉を睨んだ。
「ひょっとして………出品物はそちらの方に?」
「え、ええ。万が一のことが無いよう我々で保管をしております。
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