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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第235話 剣が届く先
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ていたユウキは、やはり衝撃的だった。
2人の戦いを見ていて、相手の実力は判った。自分の中で最強だと思っていた姉のランと互角以上に渡り合っている時点で、実力は折り紙付きだという事は、もうすでに分かっていた。ボーダーラインを超過している、と。
だけど……、攻撃を受け止めきれず、遂には直撃を許してしまう場面を本当に見てしまうとは思ってもいなかったから、衝撃的だった。
「…………」
僅かながらに、ユウキの手には力が籠もった。
それは、よくも姉を! や 負けたかもしれないランの仇を討つ! と言った類の決意の物ではなく……、純粋に驚いていて、それでいて 見る者すべてを魅了した程の白熱とした戦いを見た事で、自然と力が入った様だ。
――ボクも戦ってみたい……、かも。
当初の目的をすっぱりと忘れてしまったかの様に、ユウキは 手を握っているのだった。
軈て――閃光と煙が晴れてきた。
各アバターには、例外なく翅は実装されてはいるが、使用しなければ、基本的に空中にとどまる事は出来ない。つまり、原則、空中浮遊を翅なしで行う事は不可能であり、体術である程度は出来ても、それでも限界はある。
故に、宙にとどまり続ける為には、翅を使う事が必須だ。そして、現状でそれが出来るのは翅を出す事が出来る余裕がある者のみである。……つまりは、リュウキの攻撃を受けてしまったランにそんな余裕があるとは思えないという事で、もう地面に落下するのは免れないだろう、と周りの者達は思っていたのだが……。
「……あ、あれ?」
リュウキとラン、2人は宙にとどまっていた。
戸惑いの声を上げたのはランだ。最後の一撃は しっかりと目に焼き付けようとしたのだが……、ここまで見事な一撃を、無防備な体に入れられるのは初めての経験だった為、反射的に目を閉じてしまっていたのだ。
目を開けてみれば―――びっくり。
リュウキは兎も角、落下する事なく、ランが宙に留まる事が出来ているのは、リュウキがランの手を掴み、そして 翅を広げているからだ。手を引いてくれている事に気づいてびっくり。何でまだ無事なのか、直ぐに判らなかったから、びっくり、なのである。
「……悪い。真剣勝負、とは言え……、デュエルで、とは言え…… 最後まで出来なかった」
耳に入ってきた言葉を訊いて、益々首を傾げるラン。
こればかりは、リュウキをよく知るメンバーでなければ、判らないだろう。
「ははは………、や〜っぱり、紳士なのよねー? 大会系の戦いや純粋な敵同士のデュエルならまだしも、辻デュエルとは言え、こ〜んな健全な戦いだったら、最後の一撃を入れる〜なんて、リュウキには……ねぇ?」
腕を組んで、深々と頷きながらそういうのはリ
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