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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第235話 剣が届く先
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 技術、速度、センス。

 現実で言えば、所謂 心技体 の全てが極限にまで備わっている、と言っても良い相手に、ランは改めて称賛と尊敬の念を向けた。

 この戦いの前に、彼が場に出た時、周囲があっという間に湧いた理由も、今なら納得出来る。その強さに絶対的な信頼をしているという事も。

 そして次が今までよりも強い。……最も強力な一撃が来る事を、ランは意識した。

 四方八方に瞬間移動の如き速度で移動を繰り返していたリュウキが、今度は頭上へと移動したから。頭上からの振り下ろし、だという事は理解できた。同時に、その攻撃はもう防げないという事も。

 この止むる事無き連撃……まだ、これが最後か判らない。だが 仮に、10以上の連撃を放っても、ランはこれ以上の驚きは無いだろう。自分自身の10連撃、妹ユウキの11連撃、それらが1、2番だとは思ってなかったから。

 絶対に、上がいる。……上には上がいるという事を、彼女は知っているから。
 
 リュウキの剣が より深い輝きを発したその時。
 

『いつも話をしてるその人(・・・)の事で、判った事があるんですが――』
『え? ほんと??』


 ランは、この刹那に再び思い返していた。

『とっても強くて、それにとっても格好いい。 って、ずっと思ってるのは凄く分かりましたよー。あ、とっても好きだって事もっ!』
『あ―……、あ、あはははは』

 楽しそうに説明する彼女(・・)の顔を見て、そして 図星をさされてしまったのか、顔を僅かながらに紅潮させて恥ずかしそうに悶えてしまっている彼女(・・)を見て、ランは思わず吹き出しそうになってしまう。
 普段の陽気な笑み、それに、普段は何処となくのんびり屋さん。そんな彼女(・・)が、また別の一面を見せてくれているのだから、とても新鮮だったから。

『あ、やっぱり、私達よりも強いですか? 一応、今までの仮想世界で、対戦型のゲームでは、ユウ以上の人はまだお目にかかってないので、私も気になって』

 頭を掻きながら、ランはそういう。
 
 いつも話をしてくれる()の事―――。

 それは、彼女の中に眠っている存在だった。
 記憶の中に、鍵をかけられてしまっていて、まだはっきりと見る事が出来ない かつて……いや、今であっても彼女自身の大切な宝物(きおく)

 ランはそれとなく、その中身を訊く事をタブーにしてきた。

 思い出せないもどかしさ。……想っているのに、会えない。顔も思い出せない。それ程辛く苦しい事は無いだろう。
 だからこそ、話題に触れまいとしてきたのだけど……、そんな想いも笑顔で一蹴された。

――普通に話してくれて良いです。いえ、寧ろ話してください。

 そう笑顔で言って
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