暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第235話 剣が届く先
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をしてきても決しておかしくない、とも考えだしている。

 ただ、対峙しているだけで、圧倒的な威圧感が漂ってきているから。

 それは、先ほど対峙した2人組。……自分達と同じ様に姉妹関係だろう彼女達と対峙した時にも、感じた。ある時を境に、集中力が変わった、と言ったらいいだろうか。

 それが、眼前の彼にも起きた、と言う事だ。

 だが、そんな中でも……極限まで集中していると思える表情をしていても――、その彼の()は、変わらない


『――本当に楽しそうな()をしてるんです。――目だけは、誤魔化しきれないみたいなんですよー』


 そうだ。
 彼女(・・)の言う通りだった。彼女(・・)の言っていた彼とは違うのかもしれない。ただただ、どこか惹かれる目をしている彼を見て、彼女(・・)の言葉が頭に過ぎりだしたのかもしれない。

 だけど――判らない事だらけだけど、勝手に決めつけてるだけだけど――、彼女(・・)の言葉は間違ってない、とランは強く思えた。




 そして、ランにとっても、周囲(ギャラリー)にとっても、体感時間が以上に長く感じる時の狭間で――、秒針が再び動き出した。
 それは、リュウキの目が鋭さを増したから動き出したのかもしれない。それが全ての合図、時を動かす鍵だった。

「(くるっ!!)」

 だが、その強張りを一瞬の変化をランは見逃さなかった。
 リュウキが動き出したと殆ど同時に、ランも動き始めていたから。





 時を少しだけ、巻き戻そう。
 2人の戦いを見ていて、息をのんだ。


――この瞬きさえ許されない刹那の時間で、2人の戦いを観戦しているメンバーの1人、シノンは 全て理解した。


 キリトが言っていた言葉の意味、『持っている』と言っていた意味を。

 剣聖と呼ばれている少女、ランが持っているもの、それはリュウキと同系統の物、他のメンバーにしてみれば、理不尽極まりない代物だという事がシノンにもはっきり判った。

《システム外スキル》の《眼》を持っていると言う事が。

 以前、リュウキにそれとなく訊いた事があったシノン。だが、リュウキ自身は謙遜をしていて、詳しくは説明してくれなかった。彼を以前から知っているメンバーは口をそろえて教えてくれたのが、《眼》の存在だ。

 嘗て、あの世界を生き抜いてきた者達曰く、その眼は《神眼》とも呼ばれていたらしい。

 この仮想世界の全て。有限ではあるが果ては無い世界を作っている原子構造……、いや もう無限にすら思える数列の流れ――、デジタル信号の流れの全てを視る事が出来る眼だ。

 全てを視る事が出来る為、相手の動きも視える。現実世界でいえば、僅かな筋肉の収縮、力み、それらを見て
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