第54話
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らっているんだが………こんな色の錠剤は見た事がない。」
「そ、そうですか……」
ヨハヒムの話を聞き、何の手掛かりも手に入らなかった事を残念に思ったロイドは肩を落とした。
「しかも聞く限りにおいて効能についても尋常ではない。筋力、集中力、反射神経、そして判断力と直感力……それら全てを高めるというのは………」
「その、まだマフィアたちがこの薬を服用していたかどうかは確かではないんですが……」
「実際、確認できてんのはあの鉱員だけだしなぁ。」
(多分だけど、市長の第一秘書も服用しているでしょうね……)
「…………イアン先生から聞いた話もまだ噂の域を出ていませんね。」
「ふむ、いずれにせよ、得体の知れない薬物であるのは確かのようだな。―――分かった。3錠ほどあずからせてもらうよ。早速、成分調査をしてみよう。」
「ありがとうございます。その………成分を突き止めるのにどのくらいかかりそうですか?」
「薬の現物もあるし、症状などの手掛かりもある。今日中には、主成分くらいは突き止められるとは思うが……逆にそれで突き止められなければ結構、長引くかもしれないな。」
「そうですか………」
ヨアヒムの説明を聞き、成分調査が難航する可能性もある事にロイドは疲れた表情で頷いた。
「まあ、明日の午後くらいに通信で連絡させてもらうよ。それで構わないかな?」
「それで結構です。どうかよろしくお願いします。」
「ふふ、これで一安心ね。そういえば、副作用や中毒症状の可能性はどうなんでしょうか?」
「ふむ、それも調べてみないと何とも言えないんだが………念のため、その鉱員の関係者には何かあったらこちらに相談するよう伝えておいてもらえるかな?他の服用者が見つかったら同じ手配をしておいて欲しい。」
「承知しました。」
「やれやれ………どれだけ出回ってる事やら。街てそれっぽい噂もチラホラ聞いたくらいだし。」
「ま、そこの所はダドリーおじさん達”捜査一課”が纏めた資料があるから大丈夫じゃないかしら?」
「さすがにルバーチェに連絡するのは無理そうですが………本当に構成員が服用していたら副作用などが心配ですね。」
「うーん、確かに………」
「…………………」
ロイド達がそれぞれ話し合っている中ヨアヒムは目を伏せて黙り込んでいた。
「………先生?」
「やはり副作用の危険が?」
ヨアヒムの様子が気になったロイドとエリィはそれぞれヨアヒムに声をかけた。
「ああ、いや………そうじゃないんだ。ふと、前に聞いた噂を思い出してしまってね………」
「前に聞いた噂………」
「どんな噂ッスか?」
「ハハ、参ったな。改めて説明するほどの
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