14話
[1/14]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、月夜、オルコットの3名は他の生徒の見本として試しに飛んで見せろ」
―――起きろ、鬼神。
織斑先生の声に僕は鬼神を展開させる。嫌悪感が湧き上がるが歯を食いしばり耐え抜く。左耳から全身に光が広がり、僕を包み込んだ。その光が一瞬広がって再度纏わり、鬼神を形成する。
時間に直して約1.5秒。速い方だとは思う。熟練の操縦者は展開まで1秒もいらないと言うから随分と壁が高い。暇さえあればこういう基礎中の基礎は繰り返しやってはいるんだが……。1.5秒まではすぐに到着したがそこからは中々縮まらなかった。
バチンっ、と何かが弾けるようなイメージでISが意識と接続される。口の中が酸っぱく感じたが唾液と一緒に無理やり飲み込んだ。くすんでいた視界が一気にクリアに広がり、先程よりも色鮮やかに見えるようになった。身体から力を抜くと地面から足が離れ浮き上がる。セシリアさんも僕と同じように浮き上がっていた。
「早くしろ織斑。熟練したIS操縦者は展開まで1秒とかからないぞ」
僕とセシリアさんは既に展開完了しているが織斑さんだけが展開に手間取っていた。そういえば一夏さんは模擬戦の時も中々展開に手間取っていたな。
ISはフィッティング作業(最適化処理。要は中身と外見を専用に書き換えて今の操縦者にあった性能や装甲に変化させることだ)、その作業が完了すればその後は操縦者の身体に何らかのアクセサリーの形状で待機状態を維持する。なんでアクセサリーかは知らないがISの持ち運びに困らないのはありがたい。
僕は左耳に黒色のピアス。セシリアさんは青色のイヤーカフス(穴あけ不要のピアス)。よく似合っていると思う。同じ左耳に違いはあれどピアスをつけているのは、ちょっとお揃いみたいで嬉しい。違う、そうじゃないぞ僕。
しかし一夏さんのアクセサリー? は異色だと思う。なんせガントレットなのだから。割りかし真面目によくわからないのだがRPGの防具じゃないんだからさ、もっとそれっぽい、例えば指輪とかの方が良かったと思う。
「集中しろ」
織斑先生が一夏さんを叱責する。叱責というか、お前ならこれくらいはできるだろう? って言っているように僕は聞こえた。
一夏さんは右腕を突き出してガントレットを左手で掴む。模擬戦前の練習で色々試していたがどうやらあれが一番集中できるようだ。
「よし、飛べ」
一夏さんが白式の展開を完了させると織斑先生の指示が僕たち3人に飛んでくる。
僕とセシリアさんがほぼ同じタイミングで急上昇する。僕が僅かに出遅れたが、今回は全ての武装を展開していない状態なのでとても身軽だ。いくらリミッターがかかっていると言っても相当の速度は確保できる。最終的にはセシ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ