暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
14話
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過去より今と未来だ。

「分かりました。この件に関しては後ほど私たち教師たちで検討し、生徒に対する安全性を見直させていただきます」

 山田先生の言葉で締められる。山田先生は少なからず教師として気になる点はあるが、生徒のことを考えている人だ。悪いことにはならないだろう。

「では授業を続けるぞ。織斑、武装を展開しろ。それくらいは自由にできるようになっただろう」

 山田先生の言葉に織斑先生は授業を再開させる。

「は、はあ」

 僕の言葉で自分のミスがどれくらいのものか理解した、僅かに顔の青い一夏さんが曖昧な返事をする。問題は次を無くすことなのだから、反省はしないといけないだろうが一夏さんだけが気に止むことはないと思う。

「返事は『はい』だ」

「は、はい」

 なんだろう、織斑先生に対して違和感のようなものを感じる。なんだ、この違和感。

「よし。では、はじめろ」

 織斑先生に指示を出された一夏さんは横を向き、視線を周囲に走らせる。クラスメイト達は僕の言葉もあってか先ほどよりも距離を空けている。周りに誰もいないことを確認した一夏さんは右腕を突き出し、左腕で握った。

 一夏さんの左腕が右腕を力強く握り締める。ここから見ていてもそれははっきりと分かった。右手の手の平から強い光が放たれ、その光が形を生み出す。雪片弐型だ。

「遅い。0.5秒で出せるようになれ」

 確かに一夏さんの展開速度は遅い。唯一の武器である雪片弐型を出すのに2秒以上かけていては、いざというときに展開出来ずに対応が遅れてしまう。

「次、月夜。お前の武装を展開しろ」

「了解しました」

 強く、脳内の中で鬼神を思い浮かべる。鮮明に、色鮮やかに、最速で姿を形にし、続けて1つずつ武装を思い浮かべた。鬼神の姿に加えて、武装の形をなぞるように複数の線が高速で疾走する。

 左手に夜叉。

 右手に羅刹。

 腰に2門のレール砲。

 そして最後に両肩にミサイルポッドが展開された。

 全て合わせて約2秒とゼロコンマ3秒。研究所にいた頃に比べればかなり早くなったが、それでもまだ遅い。

 鬼神の強みは状況に応じてその武装を収納したり展開させることで、鬼神のスピードを変化させることや戦略をその都度変化させることにあると思う。拡張領域には弾薬が詰め込まれており、ミサイルポッドの通常弾頭や防御弾頭、レール砲の通常弾や実験弾などが収納されている。弾薬の切り替えに時間がかかりすぎるから、実戦では1度も切り替えていないが。武装に至っては収納せずにパージで対応していることもある。

「全部で2.3秒オーバーか。1つの武装につき約0.5秒なのは結構だがお前の戦い方を見る限りだと、これからは展開と収納を繰り返すことが
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