第2話
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はあるみたいだ。
戻ってきた司馬懿が驚いたのは、自分の母親が妹達と混じって丸い物体を蹴って遊んでいた事。
そして皆、泥だらけだったという事だろうか。
……まぁ、初めて見たら目が点になるだろうなと暢介と司馬朗は思った。
それから数日後、司馬朗は休暇を終えて家を出ていった。
皆から見送られ、笑顔のまま去っていった。
その後、暢介は司馬懿の指導の元、危うかった書きも上達を見せていた。
そんなある日の事。
「そういえば、鷺島さんは、これからどうなさるんですか?」
「どうするって……考えて無かったな」
今後の事を司馬懿から聞かれた暢介は少し考えると首を横に振りながら言った。
「そろそろ考えた方がいいかと思いますよ。文字は問題ないですし、剣術の方も基礎は出来ていますし」
「うん……」
「勿論、ここに残るという選択肢も無い訳じゃないですけど……」
その言葉に暢介は『流石にそれは……』と返す。
ずっと世話になるのは暢介としても選択肢には無かった様だ。
「もう、文字の勉強も終わりですし。先の事を考えるべきですよ」
「分かった」
そう呟き、暢介は考え込んだ。
それから数日間、何やら考え込んでいる暢介に司馬家の人達は声をかける事は無かった。
声をかける時は、サッカーボールを持ってきて。
『一緒にしよ』
という感じで誘ってくるぐらいだった。
まぁ、誘ってすぐに司馬防が。
『私をのけものにするんじゃないわよ!』
と乱入してくる流れだった。
しかし、それが楽しかったと思う暢介なのであったが。
ある日の夜、司馬防の部屋を訪ねる人物がいた。
数日間考え込んでいた暢介だった。
「どうしたのかしら?」
「実はこれから先の事を考えてまして、一つの結論が出たのでそれを伝えに来ました」
「……聞きましょう」
「俺は、ここから出ようかと思います」
「外に出て何をするのかしら?」
「……正直、分かりません。ただ、俺がここに来たのには訳があるはずなんです……そして、それは」
「ここにいるだけじゃ無いって事ね」
司馬防の言葉に頷く暢介。
正直に言えば、暢介は結論が出ている訳ではない。
何かの理想に燃えるとか、大陸を平和にとかそんな理念がある訳じゃない。
ただ、ここから外に出て何か行動を行う事で自分がここに来た理由が分かるんじゃないかと思っただけの事である。
「……」
「ん? どうしたの鷺島くん? 何か言いたそうな顔をしてるけど」
暢介の表情は強張っている。
何かを言おうと
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