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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第52話
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もりだ。」

「ええ、よろしくお願いします。」

町長の答えを聞いて頷いた。その後ロイド達は町長をガンツが泊まっている部屋に残して部屋を出た。



「―――ふう、それにしてもクロスベルで薬物疑惑とはねぇ。珍しいこともあるもんだわ。」

「そうなんスか?てっきりマフィアあたりが色々扱ってると思ってたんだが。」

部屋を出た後呟いたグレイスの言葉を聞いたランディは意外そうな表情をした後、目を細めて呟いた。

「ところがどっこい、クロスベルで違法薬物ってのはあんまり出回ることはないのよ。何しろ他の犯罪と違って、周辺諸国にも広がりかねない影響力のある犯罪だからね。帝国や共和国からの圧力もあって捜査一課の手で違法薬物は厳重に取り締まられてるらしいの。そしてルバーチェなんかもその辺の空気は読んでるわけよ。」

「そうだったんですか………」

「そのあたりの事情は俺も警察学校で教えてもらいました。でも、この錠剤は………」

グレイスの説明を聞いたエリィは意外そうな表情をし、ロイドは頷いた後懐から蒼い錠剤が入ったビニール袋を取り出した。

「蒼色の錠剤………見た目は綺麗な感じだけど。」

「なんつーか………やたらと怪しげな感じだな。」

「「……………………………」」

ロイドが取り出したビニール袋をエリィとランディは真剣な表情で見つめ、ティオは辛そうな表情で、レンは複雑そうな表情で黙り込んでいた。



「ティオ、レン。何か心当たりが?」

二人の様子が気になったロイドは二人に訊ねた。

「……悪いけど、レンには心当たりはないわ。」

「……わたしもです。ただの気のせいだと思います。でも、その錠剤……一体どうするつもりなんですか?」

「そうだな………俺達だけで決めるのはちょっと大事(おおごと)すぎるかもしれない。いったん戻って課長に相談しよう。」

「ええ、それがいいと思うわ。昨夜の襲撃事件についても報告した方がいいでしょうし。」

「薬物が関わってくるとなるとひょっとしたら遊撃士協会にも相談する必要が出てくるかもしれないわね。」

「マフィア同士の抗争に加えてクスリ絡みの事件の可能性か………ったく、とんでもなく忙しくなりそうな気がしてきたぜ。」

「ふふっ………」

ロイド達が話し合っているとグレイスは微笑み、グレイスの様子に気付いたロイド達は振り向いてグレイスを見つめた。



「いや〜、あなたたちと知り合って4ヵ月になるけど………ずいぶん成長したな〜って、お姉さん感慨に浸かっちゃうなぁ。」

「グレイスさん?」

「い、いきなりどうしたんですか?」

「誉めても何もでませんが………」

グレイスの言葉を聞いたロイドとエリィは戸惑い、テ
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