第二章
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「注意しろよ」
「若し病気貰って日本に帰ったら」
「わかるな」
「はい、離婚ものですよ」
「だから俺も注意している」
そうした店、そして病気にはというのだ。
「その時はよくても後が怖いからな」
「機関長それで一回離婚してるんですよね」
「あの人は淋病貰ってな」
それで家庭に帰ってだ。
「わかるな」
「奥さんに淋病うつしてですね」
「離婚だ」
「それはまた洒落になってないですね」
「あれは痛いらしいからな」
淋病になればだ。
「用を足す時にな」
「膿出てですよね」
「ああ、凄く痛いらしい」
それが淋病の恐ろしさだ、しかも淋菌が目に入ると悪質な炎症を起こすので余計に恐ろしい。ゲーテも感染したことがあるとのことだ。
「エイズもあるしな」
「ですね、そうした店にはですね」
「注意しろ、ゴムもあるだろ」
「一応は」
「行かないって行ったが気が向いて行くこともある」
この辺りは男の性だ、本能を制御することは難しいものなのだ。
「だからな」
「その時はですね」
「ゴムは忘れるな」
「そういうことですね」
こんな話をだ、車田と秋本は飲みながらしていた。そしてだった。
そのジブチに着いた、アフリカの角と言われるその国に。タンカーはこの国で一番大きな港に入りそしてだった。
エンジンのチェックをした、すると。
「ああ、ちょっとですか」
「故障しててな」
港に降りてからだ、秋本は車田に話した。
「三日位な」
「ここに停泊ですね」
「それで修理してな」
そのうえでというのだ。
「出港だ」
「クウェートに向けて」
「その間俺達は休みだ」
「ここで三日ですか」
「観光も出来るらしい」
「観光もですか」
「丁度そうしたガイドさんも来ている」
この港にというのだ。
「だからな」
「そうですか、観光ですか」
「ジブチで観光だ」
「何か想像出来ないですね」
車田はその髭が生えた顔を傾げさせて言った。
「どうにも」
「そう言うか」
「はい、何か」
「内戦のイメージが強いからか」
「観光出来ます?」
「ここから近くの街位ならな」
「それじゃあ行きます?観光」
「そうするか」
秋本も言った、そしてだった。
二人は実際に他の船員達の幾人、志願者達と共にガイドの案内を受けて観光に行くことにした。その街に行って。
街に行くのはバスでだった、車田はそのバスに乗ってから隣の席の秋本に言った。
「このバス日本製ですよね」
「みたいだな」
「マイクロバスですけれど」
「かなり古いな」
「そうですよね」
その右ハンドルの運転席を見て言う。
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