sts 27 「力と考え」
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と別れた俺はスバルの元へ向かう。
記憶が正しければ負傷したエリオも同室だったはずだ。エリオの怪我自体はそれほどひどくはないらしいが怪我をしたことには変わりない。弟のような存在なだけに思うところは多々ある。まあフェイトの様子からすると心配の言葉を掛け過ぎるとかえってエリオの方が気を遣ってしまうのだろうが。
目的の一室に辿り着いた俺はドアをノックする。すると中から普段より弱々しくあるがスバルの声が返ってきた。
「邪魔するぞ」
「あっ……」
俺が部屋に入ると中にはスバルの他にティアナが居た。六課の方で現場検証をしていると聞いていたが、なのはかシグナムあたりが見舞いに行って来いと言ったのだろう。
エリオの姿はない……ティアナが来たから気を遣って部屋から出たのか。キャロも病院にいると聞いていたから多分エリオと一緒に居るのだろう。動き回れるのならとりあえず心配ないか。
現状で問題になりそうなのは俺を見た瞬間に露骨に顔を逸らしたスバルだろう。逸らした原因は襲撃時の一件……俺の左腕にある。誰だって自分が傷つけた相手と会うのは気まずさを覚えるものだ。
「ショウさん、体の方は大丈夫なんですか?」
「お前が思ってる以上にはな。まあ仕事なんかしようものなら隊長達からあれこれ言われるだろうが」
「当たり前です、怪我人なんですから大人しく休んでてください。ファラさんやセイバーさんが代わりに働いてくれてるんですから」
「分かってる分かってる。ついさっきフェイトから釘を刺されたところだし、お前を始めこういうことには口うるさく小言を言う奴が多いんだから大人しくしとくさ」
「分かってる、だけでいいじゃないですか。後半ははっきり言って余計です。ショウさんはもう少し素直な言い回しをした方が良いと思います」
「そっちも後半は余計だ。素直じゃないところがあるお前から言われても説得力に欠ける」
と言ってしまっただけに気の短いところのあるティアナがムキになり始める。しかし、真面目な性格なのでここが病院だということを言えば大人しくなるのは当然。ただ大人しくなっても機嫌まで直るわけではない。まあそのうち戻りはするだろうが。
「スバル、体の方はどうだ?」
「…………大丈夫です。……神経ケーブルが逝っちゃってたので……左腕はまだ上手く動かせないですけど」
「そうか……悪かった」
気まずいだろうが話してくれるスバルに内心安堵しつつ、俺は彼女に対して深く頭を下げた。
「え……な、何で頭を下げてるんですか? それは……それは私がショウさんにするべきことのはずです。私の怪我だってギン姉がさらわれたのだって私がティア達の忠告を無視して先行したからで! もしもあのとき……ショウさんの指示を聞いて動いてたらギン
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