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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 27 「力と考え」
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いいから。ひとりで強がり続けなくていいんだよ――」

 過去に何度も後悔をする出来事があった。
 その度にもう同じような起こさせないと強い思い、自分に出来ることに取り組んできた。
 六課の設立が決まってからはカリムの予言を元に今ある現実が訪れないように動いていた。けど……結局は予言通りの事態が起きてしまい、その中で俺はスバルのためにとギンガを見捨てた。
 その判断が間違っていたかと問われれば間違いではないと答えるだろう。その証拠に他の六課メンバーから俺は責められたりしていない。
 俺ひとりがどんなに頑張ったところでやれることには限界がある。それに最悪の予言を防げなかったことへの責任は俺だけでなく多くの者が感じているはずだ。
 ただ……それでも。
 俺にもっと力があったのならば、スバルだけでなくギンガも救うことが出来たのではないか。そう思わずにはいられない。
 だから今……俺だけを見つめている瞳と優しさに満ちた声の主を思わず抱きしめたくなった。人の肌に触れてその温もりを感じたいと思ってしまった。
 でもそうしてしまうと……それは本当に自分自身で自分が弱っていると認めることになる。
 そうなれば今後何かあったときに精神的に折れやすくなるだろう。平穏な時間を取り戻すにはこれからが正念場なのだ。スカリエッティ一味との一件が終わるまで気を抜くわけにはいかない。
 たとえそれが己の心を痛めつけるのだとしても……きっと俺は耐えられる。俺には俺のことを心配してくれる仲間がいる。守りたいと思う人達がいる。そして……これまでに託された想いと貫くと決めた意思がある。

「フェイト……お前のその優しさには救われるよ。でも……今は甘えるわけにはいかない。強がり続けなくちゃいけない。俺なんかより……きっとなのはの方が追い詰められてる。だから俺達があいつを支えてやらないと。スカリエッティ達との決着をつけるためにも」
「……うん、そうだね。……でもショウ、ショウももっと自分を大切にして。私……嫌だよ。傷ついたショウを見たりするの」
「それは俺も一緒だ。身近な人間が傷ついたところなんて見たくない……」

 お前もなのは、そしてはやても……ひとりで抱え込んでしまうところがあるんだから。俺だけでなくお前らの周囲に居る人間はみんな心配さ。でもこれは口にしない。
 俺が簡単に変われないようにフェイト達も簡単には変われないだろう。でも少なくとも今の彼女達は自覚した上でその行動を取っているはずだ。ならば過保護・過干渉は煙たがれるだけだろうし、10年の付き合いがあるのだから今の言葉だけでも伝わるだろう。

「……じゃあ俺はスバルのところに行くな。あいつとはちゃんと話しておかないといけないから」
「うん……」

 フェイト
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