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忘れ形見の孫娘たち
9.もう一度やろう
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は二人で帰っていった。那智さんの顔色が真っ青になっていたのは、恐らく二日酔いだけが原因ではないだろう。そんな那智さんだったが……

「あづづ……和之、話は姉さんから聞いた。……ありがとう。期待している……」

 と帰り際に僕にそう言ってくれ、その後はふらふらした足取りで妙高さんに手を引っ張られながら帰っていった。

「那智さん、大丈夫かな……」
「妙高さんは怒ると怖いからねー……」
「そうなの? まぁ確かにさっきの妙高さんは凄まじかったけど……」
「あんなもんじゃないよ……本気の妙高さんは……」

 その後お昼ごろに大淀さんが一人でやってきた。この前と同じくコスプレっぽい服を着ていたが、今日は前回と違って仕事道具と思しきバッグを片手に持っている。以前に来た時のような沈んだ感じはなく、元気で覇気のある雰囲気だった。

「和之さん、話は妙高から聞きました。この大淀、全力でお手伝いさせていただきます」

 彼女はそういうと、居間に上がって早速バッグからノートパソコンとバインダーを取り出し、秘書らしくメガネをくいっと待ちあげた。メガネのレンズがキラーンと輝き、敏腕秘書の雰囲気がにじみ出ていた。

「なんだ……この鈴谷とは比べ物にならない心強さは……!!」
「ひどっ……かずゆき、ちょくちょく鈴谷に対して失礼だよね」
「お前に言われたくはないわ……」
「では早速……和之さん、何から始めましょうか? キラーン!」
「「おおっ」」
「何か?」
「大淀さんが燃えている……!」
「往年の任務娘が再び……!」
「ふふっ……業務のタスク管理は得意ですよ? キラーン!」

 そうして僕達は奥の和室に移動し、爺様の遺影が見守る中“グッバイひこざえもんプロジェクト”は幕を開けたのだった……!!

「かずゆき……プロジェクト名なんとかならないの?」
「うるっさいなー!」

 まずは役割分担として、大淀さんは鈴谷サイドのみんなの意見のまとめ役とタスク管理、僕はこちらで実務全般と財務管理、鈴谷は僕のフォローということになった。

「では私たちは一度戻って、みんなの意見をまとめますね」
「僕たちが本格的に動き出すのはその後になりますね」
「だね」
「みんなの意見と簡単な出欠確認はどれぐらいに揃います?」
「本日鎮守府に戻ったらすぐに確認を取ります。まとめた上でお渡し出来るのは早くても明後日以降になるかと」
「わかりました」
「ぉおー……」
「ん? 鈴谷? どうしたの?」
「いや、任務娘としての大淀さんを見るのははじめてだからさー。なんかすごいなーって思って」

 ……そっか。考えてみれば鈴谷は、爺様と出会った次の日には爺様が亡くなってるもんな……大淀さんのこういう姿って見るのは初めてなんだな……。

「今
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