9.もう一度やろう
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。それは鈴谷たちの仲間のことだ。鈴谷がうちにきてからこっち、大淀さんや鹿島さん、五月雨ちゃんに涼風……と我が家で爺様とお別れが出来た子たちは未だ少ない。鈴谷たちの仲間の中には、未だに爺様への別れが出来ず踏ん切りがつかない子も多くいるようだ。
「……確かに、私たちを含めてもまだお別れが出来た子は少ないですね」
「ですよね……」
鈴谷たちには爺様の死の死を知らせることが出来なかった。そのため、鈴谷たちは爺様の告別式という、踏ん切りをつけるタイミングを完全に逃してしまった形になっている。今はみんなの自主性に任せているが……僕は、ここらで一度踏ん切りをつけるパブリックな機会があってもいいんじゃないかという結論に達した。つまり。
「ここらでもう一度、爺様の告別式をやった方がいいんじゃないかと思ってる。鈴谷たちの仲間のための告別式だ」
「鈴谷たちのための?」
「うん。こうやってみんなが来てくれるのは楽しいんだけど、みんなが踏ん切りをつけるパブリックな機会ってやっぱり必要だと思うんだ。もちろん、爺様の死を突きつけられるのが辛いって子は、ムリして出なくても構わない。でもそういう機会を準備するって、けっこう重要なんじゃないかって思うんだよね」
未だに爺様の死を受け入れられずに泣いている子に対し、無理矢理に現実を突きつけたいわけではない。ただ、『告別式』という死を受け入れるイベントがあるというのは大切なことではないだろうか。たとえその場に出席出来なくても、『告別式があった』という事実は、事実を受け入れて前に進むきっかけとなるのではないだろうか。
特に、うちの婆様にそっくりらしい摩耶とかいう子。その子は未だ爺様の死に打ちひしがれて立ち直れてないらしい。その子が告別式に来てくれるかどうかは未知数だけど、少なくとも爺様の死を受け入れるための第一ステップにはなるはずだ。
「それいいじゃん! 鈴谷は賛成!! かずゆきのくせに冴えてるね!!」
僕の提案を聞くなり、鈴谷が笑顔でそう賛成してくれた。
「一言多いぞ鈴谷っ」
「べしっ」
「べしはやめろ。……妙高さんはどう思います?」
「私達のためにもう一度ひこざえもん提督の告別式をやっていただけるというのは、とてもありがたいお話です」
妙高さんも僕の考えに賛同してくれるようだ。難しい顔をしているのが気になるけれど。
「母ちゃんはどう思う?」
「んー……爺様に挨拶したい子がまだ二百人近くいるんだとすれば、その子たちのために告別式をもう一回やるってのは、いいアイデアだと思うよ? でもさ……」
何か問題はありそうだが、母ちゃんもとりあえずは賛成というところか……。
「お母様もお気づきだと思うのですが、私たちが参加する告別式を行うということは、約二百人弱の人
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