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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第49話
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したらレン達今後が関わる事になる事件を持ってきてくれたかもしれないし。」

「わたしは夕食当番ですからそちらはお任せしておきます。」

「大丈夫か?何だったら夕食当番くらい俺が代わるけど………」

「いえ、既に下ごしらえは済ませてありますから。キーア、晩ご飯、もう少し待ってください。」

ロイドの申し出を断ったティオはキーアに夕食をもう少しだけ待ってくれるように答え

「あ、だったらキーアもてつだうー!」

「そうですか……?ふふっ、それではよろしくお願いします。」

キーアの申し出を聞くと静かな笑みを浮かべてキーアと共に厨房に入り、ロイド達は課長室に入った。



「―――失礼します。」

「おう、遅かったな。」

「やあ、お邪魔しているよ。」

ロイド達が部屋に入るとそこにはセルゲイとイアンが話し合っていた。

「やっぱりイアン先生でしたか。」

「珍しいですね。先生がいらっしゃるなんて。」

「ああ、セルゲイ君に少し聞きたいことがあってね。他の用事もあったついでに足を運んだというわけなんだ。」

「他の用事、ですか?」

イアンの話を聞いたロイドは不思議そうな表情をした。

「ああ、端的に言うとキーアの身元についてだ。」

「も、もしかして………」

「何かわかったんスか!?」

そしてセルゲイの話を聞いたロイドとランディは血相を変えて尋ねた。



「いや………残念ながら。ギルドにも依頼したそうだが私もセルゲイ君に頼まれて他の可能性について調べていてね。残念だが――――いや幸いと言うべきかその可能性は無いとわかったんだ。」

「他の可能性………ですか?」

「ああ………数年前の話なんだがな。カルバード共和国を中心に子供が拉致される事件が相次いだことがあったんだ。」

「子供が拉致……!?」

「そ、それって………」

「!!………………」

セルゲイの話にロイド達がそれぞれ血相を変えている中目を見開いたレンは辛そうな表情で黙り込んでいた。



「詳細は省くが………かなりのデカイ事件でな。カルバードだけじゃなく、周辺諸国にも被害が及んでいた事から国際的な捜査体制が組まれる事になった。この捜査体制には、各国の軍隊、警察組織、そして遊撃士協会が協力した。」

「そんな事が………」

「初めて聞きました………」

「……俺も初耳だな。あまり知られてないって事は相当ヤバイ事件だったんスか?」

「………ええ。あの事件は様々な意味でとんでもない内容となった事件だから、世間には知らされていないのよ。」

「へ…………」

「もしかしてレンちゃんはその事件を知っているのかしら?」

レンが自分達が知らない国際
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