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白衣の天使
3部分:第三章
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第三章

「ちゃんとナースの高校も出たよ。確かに悪かったけれどね」
「で、高校でバイクですか」
「ナナハンですか」
「バイトして買ってね。まあ最初は家にあった兄貴のお古を乗ってたけれどね」
 筋金入りだった。バイクについても。
「あたしの自慢だよ。やっぱりバイクはカワサキだよ」
「仮面ライダーじゃないですか、それって」
「カワサキって」
「いいだろ?結婚したら旦那と二人でナナハンでかっ飛ぶからね」
 こんな古典そのものの夢まで語るのだった。それが藍だった。
 こんな風だから本当に旦那どころか彼氏もできない。しかしだった。
 ある日病院にだ。ナース達が見て驚く患者が来た。その患者は。
「今時あんな人いるなんてね」
「横浜銀蝿かと思ったわね」
「リーゼントってね」
「有り得ないっていうか」
「久し振りに見たわよ」
 ナース達は控え室でその患者のことを話す。彼は入院していた。
 そしてその入院した理由についてもだ。彼女達は話していく。
「バイクで事故をして骨折ね」
「右足結構やったらしいわね」
「全治一ヶ月。リハビリも必要」
「結構辛いわね」
「で、お仕事は」
 プライベートの話にもなった。その患者の。
「あれね。バイクや車の修理屋さん」
「自転車も売ってて?弟さんと一緒にお店やってて」
「結構繁盛してるみたいね」
「で、元暴走族」
 古典的なのは髪型だけではなかった。
「しかもヤンキーあがりで高校ではぶいぶいいわせていた」
「今時横須賀でも珍しい人ね」
「本当に横浜銀蝿じゃない」
 ナース達は笑ってこう話していく。しかしだ。
 藍はだ。何処かうっとりした目でだ。こう言うのだった。
「いいじゃない」
「あっ、そうでしたね。藍さんのど真ん中でしたね」
「リーゼントで元暴走族」
「しかもバイク好きですか」
「ああ、そうだよ」
 見れば藍は今改造車やバイクの雑誌を読んでいた。やはり缶コーヒーを飲みながらだ。その雑誌のめぼしいバイクや改造車をチェックしながらだ。仕事仲間のナース達に対して話すのだった。
「そんなの最高じゃないか」
「ルックスとお仕事はですね」
「それと趣味も」
「後は性格だよ」
 藍は期待する笑みで述べた。
「果たしてどんな奴かね。見させてもらうよ」
「どんな奴かって。暴走族じゃないんですから」
「何か決闘するみたいですね」
「その言い方ですと」
「決闘ね。昔よくやったね」
 今度は懐かしむ顔でいう藍だった。目が温かいものになっている。
「拳でも。バイクでもね」
「で、あの人の性格もですか」
「それで見させてもらうんですね」
「そうされるんですね」
「さて、どうなのかな」
 笑ってだ。藍はだ。その患者のことをだ。自分で見たり仕事仲間や医師
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