第三章
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祭りの中をさらに見回した、すると村の娘達が徐々に来た。その娘達の着ている服はというと。
白や青、赤のタンクトップのシャツやビスチェを上に着て下は巻きスカートを穿いている。横長の一枚布をゆったりと片方の肩で結んで優雅でなだらかなドレープを作る。布は軽い柔らかい素材で身体を動かす度にゆらゆらと揺れる。
そのミシャナナを見てだ、ンジャガはまたドールに言った。
「ミシャナナの話をすると」
「祭りに行く前に言ってたね」
「今は色々な色があるな」
「うん、青に白に黒に赤に黄色にね」
「こんなのじゃなかった、華やかな色もなくてな」
「そうだったんだ」
「一色だったんだ」
「いつも着ていて」
ドールは自分から言った。
「そんなのだったんだ」
「皆殆ど同じ色だった」
いつも着ていてというのだ。
「生地も昔はもっと悪かったな」
「おいらはずっと同じだって思ってたけれど」
「昔は違ったんだ」
昔のミシャナナはというのだ。
「本当にそうだぞ、村は昔はもっと貧乏でな」
「それでミシャナナも」
「そんな感じだった、まあとにかくな」
「うん、ミシャナナも変わったんだね」
「そうだった」
実際にというのだ。
「本当に何もかもが変わった」
「そうなんだね」
「御前も大人になればわかる、じゃあな」
「うん、家の皆ももうすぐ来るし」
「皆で楽しむもうか」
「お祭りをな」
二人で話してだ、様々な色のミシャナナ達を着た娘達が笑顔で歌ったり踊ったりしている祭りの中に入った。ドールにとっては毎年変わらない祭りの筈だったがンジャガには違っていた。昔よりもずっとはなかやで賑やかになっている祭りは楽しいもので。
祭りの後でだ、家で孫に笑顔で言った。
「来年はもっと綺麗なミシャナナが見られるかもな」
「それを楽しみにしてだね」
「明日からまた働くか」
「そうしようか」
「明日は西瓜畑の手入れをしないとな」
「そうだね、草も多くなってきたし」
「次の祭りまで頑張るぞ」
孫に笑顔で言った。
「そうするぞ」
「ミシャナナを見るまでだね」
「ああ、今度はどんな奇麗なのが見られるか」
実際に孫に楽しみにしている顔で言う。
「楽しみだ」
「それじゃあね」
「明日からまた頑張るぞ」
二人で笑顔で話していた。
「いいな」
「あんなにいい服だからいつも着たらいいのにね」
「そこも変わったんだ」
「村も」
「ああ、皆洋服を着る様になった」
ンジャガはこのことは残念に言った。
「わしはそれは残念だ、しかし祭りでは見られるからな」
「それを楽しみにしてだね」
「やっていくぞ」
こう笑顔で孫に言うのだった、そしてこの日は寝てだった。次の日は西瓜畑の手入れをする二人だった。
ミシャナナ
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