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SAO−銀ノ月−
第短編話 三
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なことを言っていながら、倒れそうになっていた里香の荷物を安定させていると。里香がワクワクした心持ちで、小さなバックのジッパーを開けていき――

「ぴゃっ!?」

「……ぴゃ?」

 里香の妙な悲鳴に振り向いてみれば、何やら熱い物に触れてしまったようなリアクションの里香が、預かったバックを地面に取り落としていた。そんな里香の表情は朱に染まっていて、小さく身体を震わせながら、視点は地面に落としたバックにのみ向けられていた。

「リズ?」

 そんな里香の視線を追ってみれば、もちろんクラインから預かった小さなバックがあり、どうやら中身が零れ落ちてしまったらしい。バックからはゲームのパッケージのようなものが見えており、不審げにそれを拾い上げてみれば。

「……!?」

 すぐさまそのパッケージをバックの中にしまうと、隣の里香も含めて微妙な雰囲気を漂わせていた。どちらも一言も発することはなく、雨の音だけが空間を支配する。もう一度バックの中身を確認すると、頭を抱えてクラインに恨み言を吐いた。

「……クラインの野郎」

 バックの中身に入っていたのは、俗に言うR指定がついているVRゲーム。アミュスフィアが発展させたのは、もちろんALOのようなRPGだけではなく、『こういうゲーム』も含まれている――ようだ。余計なお世話だ、と内心で舌打ちをかますと、フリーズしていた里香が復活する気配がした。

「ちょっと……その……それ……」

「すまな――」

 里香が出来る限りこちらを見ないように、恐る恐るバックを指差している光景を見て、至極申し訳なくなって。口から勝手に謝罪の言葉が出る――より先に、里香の言葉が口に出た。

「……どのキャラが好み?」

「はぁ!?」

 口に出そうとしていた謝罪の言葉が、驚愕の言葉に上書きされてしまう。どうやら聞き間違いという訳ではないらしく、里香から二の句が発せられることはなかった。もう一度ゲームのパッケージを確認してみると、確かに何人もの美少女キャラクターが載っており、里香の質問の意図がようやく脳内に浸透した。あまり里香の前で視界に入れたくないが、その申し出の為には嫌でもこのゲームを視界に入れる必要がある。

「……どうした?」

「単純な興味よ!」

 半ばキレたように言い放つ里香の声を聞きながら、雨を切り裂きながらバスが接近してくるのを見た。こうなれば何を言っても聞かないのは、あのデスゲームの時から重々承知の上であり、公共交通期間で見るよりはいいかと覚悟を決める。

「……このキャラ」

 ゲーム内容が詳しく解説されている面を見ないようにしながら、里香にパッケージに載っていたあるキャラを指差した。すると雨の中バスが到着し、俺たちを見て発着所に停泊する。

「ん
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