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忘れ形見の孫娘たち
8.鈴谷は仲間はずれ
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分かる。そうでなくてはこんな話を僕にはしないはずだ。こんな話をするってことは、鈴谷の事を心配している証拠だ。

「鈴谷……」

 うちに初めて来た時の鈴谷を思い出す。鈴谷以外のみんなは、その場に泣き崩れたり大声を上げて泣いたり……みなそれぞれ違いはあるけれど、爺様の死をひどく悲しんでいた。

 だが鈴谷は違った。鈴谷は動揺はしていたが、他のみんなほど落ち込んでなかった。泣いてる様子もなかったし、その後もケロッとしていた。僕はそれが引っかかっていたが、やっと今合点がいった。鈴谷は悲しくなかったんだ。たった一日の間だけの関係しかなく仲良くなる時間がなかった爺様との間に、別れを悲しむほどの深い関係性は育たなかったんだ。

 そしてその気持ちは、少しずつ鈴谷自身を追い込んでいった。爺様と会えないことによるみんなの混乱や困惑の中で……ただ一人、仲間の誰とも共有出来ない気持ちを抱え、たった一人でポツンと佇む鈴谷は、どれだけ寂しかったことだろう。

 ここに様子を伺いに足を伸ばすことを提案し、『自分が行く』と立候補したのも鈴谷だそうだ。疎外感を少しでも解消したくて……みんなの役に少しでも立てばと思ったのではないか……と妙高さんは教えてくれた。

 僕もそう思う。鈴谷は、無意識のうちに疎外感から開放されたかったのではないだろうか。誰が悪いわけでもない……でも感じずにはいられない……周囲が悲しみに打ちひしがれ泣き叫ぶ中、その気持ちを共有出来ない自分……みんなの悲しみに共感出来ない自分。誰にも打ち明けられない疎外感。誰にも相談出来ない孤独感。

 誰が悪いわけでもない……だから誰も責められない。そんな苦しみからなんとか逃れたくて、爺様の様子を伺いに来ることを提案したのかもしれない。みんなの役に立つことで、みんなとの距離を縮めたかったのかもしれない。

「そっか……鈴谷……」
「私達も、彼女にもっと気を使うことができれば……」
「それは仕方ないですよ。それだけの動揺が広がっていれば、他のことに気を回す余裕なんてないです」
「ありがとう。そう言ってくれると我々も気が楽だ……で、肝心なのはここからだ」
「?」
「鈴谷はここに通うようになってから変わったよ。……いや、元の性格に戻ったと言うべきか」

 嬉しそうに話す那智さんによると……鈴谷が大淀さんを連れてここに来た日の夜、鈴谷は鎮守府でとても上機嫌たったそうだ。悲しむ大淀さんの姿を見て、爺様の存在の大きさというものをやっと理解した、と那智さんに言っていたようだ。

 その後も五月雨ちゃんや涼風、鹿島さんや加賀さん、瑞鶴さんといった仲間たちが泣きながら爺様との別れをしているのを見て、次第に鈴谷の中でも爺様に対する認識というものが出来てきたらしい。

 彼女と爺様との間には、強固に結
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