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忘れ形見の孫娘たち
8.鈴谷は仲間はずれ
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いうと……自分の部屋に戻ってからやることがあった。それは、夕食前の鈴谷たち三人との会話のことだ。

―― 提督とケッコンした子、摩耶って子なの

 鈴谷たちいわく、うちの婆様と同じ名前、同じ容姿の子がいるらしい。まさかとは思うが、それも艦これのキャラにいるんじゃあるまいな……実は食事中、僕はずっとそのことが気になっていた。スマホを使って調べようと思ったが、やはり調べものをするときはパソコンの方がいいと思い、居間にある元爺様現母ちゃんのパソコンを使わせてもらおうと居間に戻る。

 当然ながら、居間には誰もいない。僕はパソコンの電源を入れ、麦茶と妙高さんの煮物の残りを手元に持ってきた。湿気のせいなのか、麦茶が入ったグラスにはもう水滴がたくさんつき始めている。コースター代わりにティッシュをたたみ、それをグラスの下に敷いた。

「まさかな……」

 立ち上がったらブラウザを開き、早速『艦これ まや』で検索をかけてみる……出た。まさかとは思ったが……本当にいたとは……

「しかもあの写真の婆様そのまんまじゃんか……」

 画像検索で引っかかった摩耶というキャラクターの容姿は、まさしくあの古い写真に乗っていた婆様そのまんまの顔だ。服装こそ違うけど、あの気が強そうなキッとした表情は、写真の婆様そのまんまだった。

「和之か?」

 僕が摩耶の画像に唖然としていると、静かだけどよく通る那智さんの声が聞こえた。心臓が口から飛び出るかと思うほど僕はびっくりして、慌ててブラウザを閉じた。

「おわぁぁああ?! な、那智さん?!」
「随分と驚いてるな……パソコンでなにか悪巧みでもしていたか?」
「あーいや、そんなことしてないですアハハハハハ」

 別に隠す必要は無いんだけど……なぜか咄嗟にそう答えてしまった。正直に話しては行けないような気がした。

「那智? どなたかいるの?」
「ああ、姉さんちょうどいい。和之がまだ起きていた。姉さんの煮物を食べているよ」

 ん? ちょうどいい? どういうこと?

「あらそうなんですね。ホント、ちょうどよかった」
「ああ。今ならちょうどいい」

 那智さんと妙高さんが居間に入ってきた。那智さんの手には、ダルマとグラスがあった。那智さんはそのままテーブルを挟んで僕の向かいに座り、妙高さんはその那智さんの隣りに座る。

「お二人ともまだ起きてたんですね」
「ああ。貴様と話がしたいと思ってな」
「僕と? ……ああすみません。お茶でもいれましょうか妙高さん。麦茶と熱い緑茶、どっちがいいですか?」
「ありがとうございます。では熱いお茶を」
「はい」

 僕は電子ケトルに水を入れ電源を入れた。沸騰するまでの間に急須にお茶っ葉を入れ、湯のみを準備しておく。

「何か食べます
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