第20話『吹き渡る風』
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して誇らしく思う。お前は心の優しい奴だ。これからもその心を忘れるなよ。以上」
部長は言い切ると、足早に部屋を去った。
俺はそのあっさりとした行動に疑問を感じたが、そんな様子の俺をみて副部長が声を掛けてきた。
「やれやれ、相変わらず素直になれないんだから、アイツは」
「え?」
「『凄い!』、『偉い!』って普通に褒めればいいのに、わざわざあんな堅苦しい言い方しかできないのよ。めんどくさいでしょ」
「は、はぁ…」
そう言われると反応に困る。めんどくさいと思わないとは言わないが、それも部長の個性だと思うし。
「それに、羨ましいのよ。アンタが」
「俺が、ですか…?」
「仲間を必死に助けようとする勇気、まるでヒーローじゃない。アイツ、そういうのに憧れてるからさ」
「なるほど…?」
いきなりそんな話されて正直理解が追いついていないが、要は俺が嫉妬されてるということだろうか?
「まぁ、アイツのことだから心配はしないけどね」
ヤレヤレといった様子の副部長。
あれ、俺が部長に悪いことした感じになってない!? 無実だよ俺!
…それにしても、さすがは副部長。部長と長い付き合いがあるだけのことはあって、部長の行動をよく理解している。それはまるで、
「副部長は、部長のことよく見てるんですね」
俺は思ったことを口に出した。当然、何の他意もない。
それなのに、その質問を受けて副部長が顔を真っ赤にして焦り出した。
「ち、違うわよ! あんなビリビリ馬鹿なんて興味ないし! 見てたのは・・・そう、観察よ! アイツを出し抜くために観察してたの! うん!」
なんだなんだ、突然雰囲気が変わったぞ。俺、なんかマズいこと言ったのか?
「さて、もうアンタも起きたことだし、私は部屋に戻るわよ! じゃあ!」
そして、凄い勢いで襖を閉めて出ていった副部長。
もしかして怒らせちゃったかな…?
「(あの反応…これはもしやアレなのでは?)」
「(マジか、考えてもなかった)」
「(なるほどあの二人が…面白そうだな)」
「(今後に期待か。とにかく三浦、ナイスプレー)」
何かコソコソ先輩方の会話が聞こえるが、何を言っているのかイマイチ聞き取れない。
やっぱりマズかったのかな。後でもまだ怒ってたら、その時は謝ろう。
「それじゃあ俺らも一旦部屋出るわ。安静にしてろよ!」
すると、部長と同じように先輩方は俺に言葉を送って、そして部屋から出ていった。
何で皆居なくなっちゃう訳? この部屋病室みたいな感じ?
まぁ良いや。まだ話し相手は一人居るし。
「暁君」
「何だ?」
俺
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