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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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クリアに入ってくるオープン回線の通信を聞きながら、
ルツは部下2人を連れて担当宙域へと移動しはじめた。

『・・・おい、どうした!! くそっ! なんだこりゃ!?』

そんな通信がルツの耳朶を打ったのは、彼の小隊がコロニーの採光部に
さしかかった時だった。

『ええい、どうなってんだい!? 仕方ない。ハッチを一旦閉鎖して後退するよ』

海兵隊の女性指揮官、ガラハウ大尉の困惑に満ちた声が示しているように、
海兵隊は大混乱に陥っているようであった。

『ルツ中尉。 海兵隊からコロニーの反対側の港口が操作されているとの
 連絡が入りました。
 至急、確認に向かってください』

次いで、コリオランの通信官からの指示が飛ぶ。
ルツは部下を伴ってコロニー前方の港口へと急いだ。
しかし、到着する前に港口から出てきた白い機体が目に入る。

「コリオラン! シャトルだ! シャトルが港口から出てきた。指示求む!!」

ルツの報告に対して、即座に"捕獲せよ"との返信があり、
ルツはシャトルに向かってザクを移動させる。

シャトルに近づくと、その機体には地球連邦軍のマークが描かれていた。
ルツはそのことをコリオランに報告しつつ、シャトルを観察するために
スクリーンに映るシャトルを拡大した。

見ると、シャトルにはブースターが取り付けられていた。
それが点火されればザクの足では到底追い付けない。

「軍曹!! シャトルのブースターを狙撃できるか?」

『ブースターをですか? できなくはないですが、爆発したらシャトルも
 木っ端みじんでは?』

射撃を得意とするレーマー軍曹のザクには、試作品の狙撃ライフルが
装備されていた。
ルツはそれでシャトルのブースターを打ち抜き、逃亡を阻止しようというのである。

「確かにその可能性はある。 が、逃がしてしまっては元も子もない。
 責任は俺がとるから撃て」

『了解!』

爆発によってシャトルごと四散してしまうことを恐れたレーマーに向かって、
ルツは強い口調で指示を出した。
命令を承知したレーマーは、通常のマシンガンの倍ほどの長さのある試作品の
ライフルを構えると、すぐに引き金をひいた。

ライフルから放たれた弾丸はシャトル本体とブースターの接続部付近に命中し、
小さな爆発を起こした。

「よし、捕獲するぞ!」

ルツは再びシャトルに向かって移動を開始する。
ブースターを失ったシャトルは本体側のエンジンにも損傷を受けたらしく、
ただ慣性にしたがって漂うデブリと化していた。

ルツはシャトルをザクの両手で抱えるようにして捕まえると、その旨を
コリオランに報告した。
それに対するコリオランからの指示は、"旗艦に運べ"というものだ
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