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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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シャトルの事故で亡くなりました。
 父の乗ったシャトルが出港しようとしたとき、連邦の軍艦が港の管制を
 無視したために起きた事故です。
 連邦はこの事故を偶然に起きた不幸な事故、として扱いました」

シェンクはうつむき、拳をにぎりしめる。

「僕は許せないんです。 僕たちスペースノイドの命をゴミくず程度にしか
 考えていない連邦が。同じように僕らのことを奴隷程度にしか考えてない
 地球に住む人たちが。
 もちろん、地球に住む人すべてがそんな考えを持っているなんてことは
 ないでしょうけど、言ってもわからない人に対しては、時には殴りつけてでも
 わからせなければならない。
 この作戦はそういうものだと思っています」

再びシェンクは顔をあげ、ルツの顔を見上げた。
ルツはそんなシェンクの頭に手を置いて頷いた。

「すまん、俺の弱さをお前に押し付けてしまって。
 俺たちは宇宙に住むすべての人たちのために立ち上がったんだ。
 だからこそ、この作戦は成功させなくちゃな」

「はい。 勝ってきてください、中尉!」

満面の笑みを向けてくるシェンクの頭をルツはガシガシといつものように
かき回した。





3時間後。
ルーゲンス艦隊はサイド2宙域に到達していた。
途中、連邦の残存戦力との戦闘はあったものの、さしたる被害をだすこともなく、
連邦の艦隊を撃砕していた。
ルツの小隊もその戦闘で連邦艦数隻を撃沈する戦果をあげていた。

コロニー前面への展開を前に、ルツは格納庫の脇にある休憩室で休んでいた。
そこに、中隊長のメンヒ大尉が入ってきた。
ルツが立ち上がりメンヒに向かって敬礼すると、メンヒはルツに向かって
座るように合図をしてきた。

「中尉。 先ほどの戦闘ではよくやってくれた」

「ありがとうございます」

「だが、ブリティッシュ作戦の本番はこれからだ。 気を抜くなよ」

「はい、わかっています」

ルツとメンヒはテーブルをはさんで向かい合い、そんな型どおりの会話を交わす。
メンヒは手に持ったドリンクパックから一口水を含むと、再びルツに話しかけた。

「そういえば、聞いたか? サイド1の戦闘の様子を」

「いえ。 勝利を得たとは聞いていますが、戦闘の様子までは」

ルツが首を横に振って答えると、メンヒはルツのほうに身を乗り出して
小声になって話し始めた。

「どうもかなり悲惨な戦闘だったようだ。
 わが軍に大きな被害が出たというわけではないのだが、
 連邦艦隊がコロニーを盾に退けと要求してきたらしい」

「それで、わが軍は退いたのですか?」

ルツが尋ねると、メンヒは首を横に振った。

「まさか。
 ドズル閣下はわずかに躊躇したらし
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