暁 〜小説投稿サイト〜
ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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はシェンクの肩をポンと叩くと格納庫の床を蹴ってザクのコクピットに入った。
核融合炉に火を入れてシステムが正常に立ち上がると、すぐにハッチを閉めた。

『現在、コロニー前方に連邦第4艦隊がコロニーを迎撃するために展開しています。
 モビルスーツ各機は出撃し、敵艦をできるだけ多く撃沈してください。
 なお、戦闘宙域にはミノフスキー粒子が飽和濃度で散布されていますので
 長距離の通信は一切できません。
 コロニーが突入軌道投入地点を通過したら戦闘中止の信号弾を打ち上げますので
 即座に帰投してください。
 地球に近い宙域での戦闘ですので重力の影響に注意を』

ハッチが閉まりモニターが機能し始めるやいなや、オペレーターからの状況説明が
コクピットの中に流れる。
その声にじっと耳を傾けながら、モニターに目を走らせ、手元のスイッチを操作し、
ザクの出撃準備を進めていく。
最後に、AMBACシステムの警告が消えてルツのザクは完全に準備が整った。

『各機出撃。 敵艦をつぶせ』

メンヒによる短い指示に続いて、ルツのザクは格納庫のハッチに向かっていった。
ハッチの向こうではすでに戦端が開かれ、砲撃や爆発の光が暗闇の中に
いくつも見えた。

「ルツ機、出撃する」

ヘルメットの中でそう言うと、彼とその愛機は艦の外へと躍り出た。





戦端が開かれてから5時間。
ルツの小隊は実に10隻もの敵艦と30機を超える敵機を撃破していた。
その半数、5隻・15機がルツの撃墜スコアとして記録されていた。

モビルスーツ各機は弾薬が尽きるごとにかわるがわる母艦に一時帰投し、
補給と最低限の整備を終えて再出撃するというパターンを何度も繰り返していた。

ルツの小隊もすでに3度の補給を受けていた。

『中尉! 左下方にサラミス1隻です!』

レーマーからの声に反応してルツはモニターに目を走らせる。
そこに映った連邦艦隊のサラミス級巡洋艦を見つけると、ペダルを踏みこんだ。
ランドセルのメインバーニアが火を噴き、ルツの身体はシートに押し付けられる。

ルツの動きに反応して2人の部下もサラミスに向かって動き出した。

「軍曹。 俺がけん制するから伍長と後背に回り込め」

『了解』

レーマーからの返答を聞いたルツは、マシンガンを構えるとサラミスに向かって
射撃を加えながら近づいていく。

ルツの機体にサラミスからの攻撃が集中する。

対空砲からの銃撃をひらひらとかわしながら、時折サラミスに銃撃していると、
サラミスの前甲板にある主砲塔が火を噴いた。
その衝撃でサラミスの艦体がグラリと傾いた。

そのとき、サラミスの後ろに回り込んだメーゲンの機体がバズーカで
サラミスの船体後部
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