1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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う後方に目を向けた。
先ほどよりも確実に姿が大きくなったコロニーの脇に、小さくルーゲンス艦隊の
姿が見えた。
「艦隊に戻るぞ」
ルツはレーマーにそう告げると、母艦に向かって移動を開始した。
コリオランに戻ると、艦内はモビルスーツの出撃準備で整備員たちが
あわただしく動いていた。
コクピットを出たルツは、ザクの足元にいたシェンクに最低限のチェックと
弾薬の補給をしておくように伝え、メンヒの姿を探した。
メンヒは格納庫の周囲にある通路から、出撃準備作業を見守っていた。
「大尉。ルツ小隊、偵察から帰還しました」
敬礼したルツが話しかけると、メンヒは向き直ってルツの肩に手を置いた。
「偵察任務ご苦労。 敵艦隊の位置と進行方向はメーゲン伍長から報告を
受けているが、その後変化なしか?」
「変化ありません。 ただ、敵の偵察機と遭遇しこれを撃墜しました」
「そうか。 敵は母艦に報告しただろうか?」
「いえ、迅速に撃墜しましたし、敵艦隊もミノフスキー粒子を散布している
でしょうから、通信で報告ができたとも思えません。
その点については心配ないかと」
「了解した。 今度は敵艦隊を攻撃するために出撃することになる。
再出撃まで時間はそうないが、少しでも休んでおけよ」
「はい、ありがとうございます」
メンヒへの報告を終えると、ルツは休憩室に向かった。
そこには、レーマーとメーゲンが並んで座っていた。
ルツは部屋の隅に置かれているボックスからドリンクパックを取り出すと、
彼らのそばに座った。
「ご苦労だったな、2人とも。 よくやってくれた。
疲れてるとこ悪いが、もう少ししたら再出撃だ。
時間はないが休んでおけよ」
ルツが声をかけると、彼らはわかりましたと笑顔で応じた。
それから30分ほど2人の部下と談笑しながら休憩していると、
艦内放送がはいった。
『艦長より達する。 これより本艦は敵艦隊との戦闘に入る。
コロニーを無事に落下軌道にのせるのが本作戦における我々の任務だ。
本作戦の成否はこの戦争の勝利につながっている。
各員のさらなる奮励努力に期待する。
総員戦闘配備。 モビルスーツ各機は発進準備せよ』
艦長による訓示が終わり、ルツは2人の部下と顔を見合わせていた。
3人とも直前までの笑顔からうって変わって、緊張感のある表情をしていた。
「行くぞ」
ルツは短く言うと、床を蹴って格納庫に向かって漂っていく。
愛機の傍らに佇むシェンクの姿を見つけると、その隣に足を付けた。
「どうだ、ザクの調子は?」
「各部問題なしです。 弾薬は補充しておきました」
「了解。 ありがとうな」
ルツ
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