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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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目の前の青い球体が意思を持って彼を飲み込まんとしているような、
そんな得体のしれない恐怖感であった。

『中尉! 右前方に発光!』

レーマー軍曹のザクが指し示す方向の映像を拡大すると、そこには
真っ直ぐサイド2方向に向かって航行する大艦隊の姿があった。

それこそ、ティアンム提督の率いる連邦宇宙軍、第4艦隊であった。

「伍長! 後退して艦隊に敵艦隊の位置を連絡!!」

『え、発光信号で知らせるのでは?』

「ダメだ。 この距離では気づかれるし、俺と軍曹は敵艦隊の動向を監視する
 必要もある」

『了解しました』

ルツの指示に納得したメーゲンは母艦のある方向に向かって飛んで行った。
一方その場に残った2機のザクは、連邦艦隊との相対速度を0にして飛行していた。
敵に発見されるのを防ぐためできるだけ慣性航法で飛行しつつ、
敵艦隊の動向とそれ以上に敵の偵察部隊が近づいてこないかを警戒していた。

やがて、彼らの後方にアイランド・イフィッシュがその姿を見せた。
太陽の光をきらめかせたその巨体が、徐々に近づいてくるのを見て、
ルツは高揚感とそれ以上の緊張感を感じていた。

『いよいよですね、中尉』

「そうだな・・・ん?」

接触回線を通じて話しかけてくるレーマー軍曹に応じていたルツは、
視界の端で何かが光ったように感じ、思わず声をあげた。

彼のあげた声が気になって話しかけてくるレーマーに待てと伝え、
ルツは光が見えた方向に目を凝らした。
宇宙の深淵の中に再び光が瞬き、それがルツたちのほうに近づいてくるのが見えた。

「・・・敵の偵察機のようだ」

『どちらですか?』

ルツが方向を伝えると、レーマーもすぐにその光を発見した。

『どうします?』

「友軍艦隊はもう近くまで来ているはずだ。
 敵の偵察機に発見させるわけにはいかん。 俺たちが撃墜するぞ」

『艦隊と連絡をとったほうがよいのではないですか?』

「いや、艦隊はミノフスキー粒子を散布しているから通信はできないだろうし、
 信号弾をあげれば敵にも発見されてしまうだろう。
 ここは迅速に敵機を撃墜する」

『了解しました』

そして彼らは敵機に向かって移動を開始した。
近づいていくと、光の発生源は1機の連邦の宇宙戦闘機であった。
敵機の乗員もルツたちのザクに気が付いたようで、その機体をひるがえして
味方の艦隊に向かって帰還しようとする動きを見せた。

「逃がすか! 攻撃開始!!」

ルツはレーマーに指示を下すと、自らもマシンガンを構えて敵機に向けて発砲した。
弾丸は標的に命中し、連邦の戦闘機は爆発して四散した。

ルツはほっと一息つくと、艦隊が近づいてきているであろ
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