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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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言ってニカッと歯を見せて笑うベルゼンを一瞥し、ルツは肩をすくめた。

前日に行われたグラナダ降下作戦で、ルツは艦船3隻、戦闘機10機、
戦車5両の撃破を認定され、華々しいといっていい戦果をあげていた。
対してベルゼンも艦船1隻、戦闘機7機という十分な戦果をあげていたが、
ルツに対する対抗心が手柄を立てるということにこだわる発言につながっていた。

そんなやりとりを交わしている間にもルーゲンスによる作戦説明は進んでいく。

『海兵隊が突入したのちは、工作部隊による核パルスエンジンの
 取り付け作業が開始されるので、これを妨害されぬように護衛せよ。
 全ての作業が完了し、住民の退避・突入部隊の脱出・工作部隊の回収が完了し次第
 コロニーはジャブローに向けて発進させられる。
 既に周回軌道上には連邦艦隊が展開しているため、激しい妨害が予想される。
 作戦の成功のためにはこれをできるだけ排除することが必要だ。
 諸君の献身に期待する』

ルーゲンスが話を締めくくりスクリーンからその姿が消えると、
ヴェーゼル艦長の解散の号令に従って格納庫に集まっていた兵士たちは
それぞれの持ち場へと散っていく。

ルツもパイロット待機室につながる通路に向けて歩いていたが、
後から声を掛けられて足を止めた。
振り返った彼の目線の先にあったのは、跳ねるようにして自分に向かってくる
ベルゼンの姿だった。
彼はルツのすぐ前でピタリと着地すると、ルツに向けてニカッと笑った。

「待機室だろ? 一緒に行こうぜ」

ベルゼンの言葉に頷くと、ルツは再び待機室に向かって歩き出した。

「なあ、今日の作戦なんだけど、お前どう思う?」

「どう思うも何もないだろ。 上が決めた作戦に従って動くだけだ」

隣を歩くベルゼンの問いかけに対して、ルツは肩をすくめて答えた。
ベルゼンはそんなルツの仕草に苦笑を浮かべると、足早に先を急ぐルツを追った。

2人が待機室に入ると、すでにパイロットたちはほとんど揃っていた。
ルツはベルゼンと別れると、部下たちのところへ歩み寄った。

「どうだ、調子は?」

ルツが声をかけると、万全だと2人の部下たちは彼に向かって笑顔を向けた。
彼らの肩を叩いて、ルツはいつもの席に座る。

すぐにメンヒ大尉が姿を現し、MSパイロットたちはめいめいの席に腰かけた。
ブリーフィングが始まり、大尉が詳細な作戦内容について語り始めた。


8バンチコロニーは建設途上の工業用コロニーで、住民はコロニー建設の作業員と
すでに内部で稼働している工場の従業員に限られる。
コロニー落としに使われるコロニーを選定するうえで、住民退避の時間短縮は
重要である。
質量そのものを攻撃力に転換するのであるから、建
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