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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十三話 貴族って本当に何様なのです!?
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グレーザー医師の視線は自分の床に落ちていたから、ヴァネッサの表情を読み取れていない。それが幸いだったか、はたまた不幸なことなのか。
「他人に頼るより、少しはご自分の力で事を成した方がよろしくてよ・・・・」
ヴァネッサの言葉には、最後にちくりと脅迫する色を帯びていた。
オーディン下宿自室にて。
■ ジークフリード・キルヒアイス
ラインハルト様が准将に昇進なさった。最新鋭艦を奪取したことの功績だ。最新鋭艦を奪還したことを報告しても、シャフト技術大将は嬉しそうな顔をなさっていなかった。それどころか、当然と言った風である。これにはラインハルト様だけでなく、奪還作戦で命をすり減らした全軍が怒りの色を見せていた。
ラインハルト様自身も相当お怒りだった様子だったが「こらえてくれ。これも私が不甲斐ないせいだ」と部下たちを懸命に慰めていた。ラインハルト様が謝られることではないというのに・・・・。
最新鋭艦は秘密裏に回航されることとなったが、その引き取り手に現れた人物は私たちの印象に残る人だった。一見すると軍人というよりも弁護士に見える風貌であるが、並々ならぬ胆力を持っている様子であった。ラインハルト様もそうおっしゃっていた。
彼の名前をウルリッヒ・ケスラー大佐という。少し話して、意外なことを知った。ケスラー大佐はあのグリンメルスハウゼン子爵とも、そしてアレーナさんとも知り合いなのだそうだ。これがきっかけで、ケスラー大佐とも知己になれた。連絡先を交換し合ったので、また機会があればじっくりと話をしてみたいものだ。
シャフト技術大将の態度に上層部がまずいと思ったのか、それとも最新鋭艦を奪取したことが元々昇進につながっていたのだろうか。その後、私も大尉から少佐になり、イルーナ様も同じく大佐から准将に昇進したのだ。聞くところによると、フロイレイン・フィオーナ、フロイレイン・ティアナもサイオキシン麻薬の捜査に大いに貢献したということで、お二人とも少佐に昇進したらしい。これにはグリンメルスハウゼン子爵閣下の応援があったのだと、後でアレーナ様から聞いた。
私たちは着実に地位を伸ばしている。いや、私などはラインハルト様のおそばに入れさえすればそれでいい。ラインハルト様の志を理解し、それを助けようとしてくれているイルーナ様たちが、ラインハルト様を支えるだけの地位についてほしいと思う。
私たちはイゼルローン要塞から離れ、久しぶりにオーディンへ帰還した。皇帝陛下がラインハルト様の准将昇進を機に、アンネローゼ様に会うようにおっしゃったのだそうだ。思うままにアンネローゼ様に会えないことは、ラインハルト様にとっても、そして私にとっても苦痛である。けれども、今日はアレーナ様もイルーナ様も加わって5人で水入らずで過ごすことができる。
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