11話
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翌日の朝の教室で一夏は鬼一に先日のことを謝罪した。最初、どう伝えればいいのか全然分からなかったのだが、そのままズルズルと引き伸ばして気まずい思いをするのも嫌だし、鬼一にも悪いことをした自覚はあったのですぐに頭を下げた。
結果として鬼一はそれを受け入れた。と、いうよりもとりあえず頷いた、という方が正解だろうか。鬼一にとっては更衣室での一件など覚えていない出来事なのだ。前後の記憶が抜け落ちている以上、鬼一からすれば一夏の話は無責任ではあるが他人事と言っても良かった。
鬼一の体質を知っている人間、e-Sports側の人間なら何らかのフォローを入れたかも知れないが、IS学園で鬼一の体質を知っている人間は現状セシリアしかいない。そのセシリアが近くにいない以上フォローすることは出来ない。
だが鬼一は一夏の話から断片的ではあるが、とりあえず喧嘩みたいなことをしていたということを理解した。そして自分にも責があるというのもなんとなく感じ取れた。故に鬼一も頭を下げた。鬼一にとっては一夏は女性の世界では貴重な身近な同性なのだ。その言葉を無下にするほど、鬼一も愚かではなかった。
受け入れてもらえてホッとしたのか、明るい顔で一夏は鬼一から離れて自分の席に向かう。鬼一はそれを見て合わせるように自分の席についた。カバンの中から昨夜書き上げた書類を取り出して確認する。
朝のSHRが始まるとすぐに、セシリアは山田先生から了承を貰って席から立ち上がった。
そしてすぐに先日の暴言の数々についてクラスメイト達に頭を下げ謝罪した。
自分の行いで皆を不快にさせてしまったことを。
自分の行いで皆を傷つけてしまったことを。
自分の行いで皆を侮辱するような真似をしてしまったことを。
その振る舞いはもしかしたら貴族というには相応しくないのかもしれない。が、鬼一から見れば自分の行いを素直に受け入れ相手に頭を下げる姿勢は素直に尊敬出来た。先日の姿よりよっぽど美しく見える。
クラスメイトからの反応も上々で、一夏は少々驚いている表情をしていたことが鬼一の印象に残った。
そしてSHRは続く。その中で一夏にとってはあり得ないことが発生した。
「1年1組の代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」
真耶は嬉しそうにクラス全体に話している。クラスメイトがその言葉に盛り上がる。同時に何人かは疑問なのか困惑の表情をしていた。その言葉に鬼一は特に驚いたりせずに、手元の英語表記の書類に目を走らせている。書類の中には英語以外にグラフや数字なども羅列していた。気になる部分があるのか時折ペンで細かく書き直している。もはやこの光景になんの興味もないようだった。
と、いうよりも鬼一にとってこの作業は生
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