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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
11話
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。特にその『怖い』が重要なんです。もう少し掘り下げてみましょうか。その『怖い』が具体的にどんな形で自分に影響が出てきます?」

「えぇ? ……ちょっと待ってくれ。考えさせて」

 鬼一の間髪を入れない質問に情けない顔になる一夏。だがそんな顔はすぐに引っ込め、再度顔をしかめながら考える。そして余程自信がないのか小さな声で呟く。

「……視野が狭くなる?」

 ―――まあ、最初はこんなものだろう。

 もはや恐怖を感じさせるような薄い笑みを浮かべたまま鬼一は自分の考えを楽しそうに述べる。

「そうですね一夏さん。その怖さ、要は恐怖感から視野が狭くなって考えが小さくなる、ということですが突き詰めると、相手の行動にいちいち付き合わなくていけないということです」

 大きな恐怖感が目前に迫った時、人は自分を制御することが困難だと鬼一は理解している。

「それがどういう意味なのか? 相手の行動を気にするあまり自分のペースで試合を進めることが出来ないことだと考えられませんか?」

 一夏の『零落白夜』は相手からすれば悪夢じみた代物だろう。なんせ一撃とも言えないような、掠っただけでも絶対防御を強制的に発動させられてエネルギーを根こそぎ持っていくのだから。

 ISに精通していればいるほどこれほど理不尽だと考えさせられるものは存在しない。暴力めいた理不尽は人に恐怖を植え付ける。人の心を縛り付ける圧倒的なものだと鬼一は思う。

 知らなかったとは言えそんなものに剣1本とレール砲のみで、しかも近接戦に絶対の自信があるわけでもないのに歯向かった鬼一は頭がオカシイと言われても不思議ではない。しかも鬼一は1度その答えにたどり着いた上で戦ったのだから。

「そこまで来れば簡単ですよ。あとはフェイントを挟んで相手を振り回して崩したら踏み込んで切って試合終了です」

 とはいえ、ここまで鬼一はさも簡単そうに話しているがそれがどれだけ難しいのかは理解している。 

「結論としては、被弾と大きな移動を減らしてジリジリと間合いを詰めながら相手に徹底的にプレッシャーをかけて、間合いに入ったら相手の様子を伺いながら時々に合わせて騙し、崩れたらそのまま切る、ということです」 

 だからこそ『零落白夜』から放たれるプレッシャーを『盾』として利用することが大切なんだと伝える。

「まあ、あくまでもこれは一つの形ですね。ざっくり過ぎるから、考えれば穴なんて山ほどありますし。ですので戦いながら、戦った後でもいいので必ず振り返って自分で反省し、修正していってください。僕は戦い方のヒントは出せても決めて実行するのは一夏さんなんですから」

 そもそもIS操縦者、その中でも過去も今も問わず専用機持ちは我の強い連中かもしれないと鬼一は考える。そんな連
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