暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
11話
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中は自分の戦いに絶対の自信を持っているはずだし、自信がある以上容易にペースを握らせてくれないことも分かる。だけど、それくらいのことをしないと一夏は勝てないと漠然と感じた。

「でも一夏さんに必要なトレーニングもこれでなんとなく分かったと思います」

「ひとまずは回避、距離を詰めるための機動の練習と観察力と洞察力を身につけるトレーニング。情報を扱う力。そしてフェイントの練習、といったものですわね」

 鬼一の考えからセシリアが引き継ぐかのように答えを口にする。

「フェイントの練習に関しては視線や表情、動作から色々と試行錯誤してみるしかないですね。自分で練習することで相手のフェイントも少なからず見抜けるようになりますし」

「ごめん質問。自分のは分かるけど相手のを見抜くことは必要なのか?」

「僕なら状況次第では意図的に穴を作り、飛び込ませてカウンターを狙うことも考えます」

「あ、そっか。観察力と洞察力に関してはどうすればいいんだ?」

「周りを意識することですね。人でも周りでもなんでも、小さなことでもいいんで観察します。そしてなんでもいいんで少しでも多くの情報を得ることを意識してください」

 ある意味、一夏は鬼一以上に情報を習得する力が必要なのかもしれない。

「情報を得たらそれらを疑問として考えてください。その疑問からより多くの情報をキャッチできるようになりますし、得た情報の中から何が重要なのかもなんとなく分かります。IS戦だったらその情報から相手の思考や行動なんかも漠然と読み取れるようになりますから」

 その習得した情報から更に深い情報を得て、そこから最適解を弾き出す。戦い方に幅を出すことが出来ない以上、誰よりも自分や相手の状態を知る力と活かす力に長けていないといけない。じゃなければ一夏は勝つどころか、戦うことも覚束なくなると鬼一は断じる。

「……鬼一が情報を大切に考えている理由がようやくわかったような気がする……」

 鬼一の考えに一夏はげっそりとした表情で呟く。鬼一のこの姿勢があったからこそあそこまで戦えたのだと理解できた。そして自分はある意味鬼一以上の情報に関する力を得ないと、今後は駄目なのだと痛感した。

「その情報と整理する力、そして答えを出す力がなかったら僕は最下位確定でしたよ。多分、間違いなく」

 鬼一はどことなく楽しそうに話す。それはそれで面白かったかもしれないと。絶望的な状況から這い上がる快感を超える快感はそうはない。
 
「一夏さんのこれからの戦いは、少なくとも自分が有利な状態で始まることなんてほぼないでしょうね。だから手持ちのカードで戦える癖、前に進む癖を身につけないといけません。自分とISが自分のカードなら、情報は相手のカードとそのカードを切る順番を知るよう
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