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もてないのがいい
5部分:第五章
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第五章

「キャンプファイアー、文化祭の最後ね」
「それに二人と踊ったら二人は付き合えるのよ」
「そうなるのよ」
「それ本当か?」
 その話を聞いてだ。即座にだった。
 達央は今回も身を乗り出してだ。問うたのである。
「ハッピーエンドになれるのか」
「ええ、そうらしいわ」
「そんな話があるのよ」
「そうか。キャンプファイアーだな」
 その話を確認してだ。達央の目に炎が宿った。
 そうしてだった。彼は女の子達に宣言するのだった。
「キャンプファイアーに言い寄る相手がいたら全員その燃え上がる火の中に放り込んでやる」
「ってそう言うの」
「そっちなの」
「絶対にやってやるからな」
 とにかくだ。未来のことしか考えていない達央だった。そうしてだ。
 あらためてだ。彼は言うのだった。
「この文化祭は完全燃焼だ」
「まあそっちは頑張ってね」
「応援してるからね」
「何かとね」
 女の子達はそんな達央をにこにことして見守っていた。彼はその言葉通り書道部に文化祭の委員の仕事に燃えていた。当然未来を見ながらでだ。
 書道を書く。するとだった。
「うわ、凄いな」
「これまで書いた中で一番いい作品じゃないか」
「奇麗に書いてるよ」
「いい字だよな」
「ああ、調子がよかったんだ」
 達央もだ。自分が書いた字を見てだ。笑顔で言うのである。
「だから書けたんだよ」
「気力体力共に充実してるからか」
「それでなんだな」
 書道部の部員達もその彼の話を聞いて言う。その彼の筆を見ながら。
「いや、今回の展示で一番だな」
「ダントツだな」
「そうか。それは何よりだな」
 達央は仲間達の言葉に笑顔になる。そうしてだ。
 文化祭の委員の仕事も燃えていた。相変わらず自分の仕事を全力でしながらそのうえで未来の仕事も手伝う。そうしていたのだ。
 その彼にだ。未来からだった。
 そっとだ。こう彼に言ってきたのである。
「あの、柴崎君」
「何かな」
 何気なくを装っていても目を思い切り笑みにさせて応える彼だった。
「何かあるの?よかったら俺が」
「キャンプファイアーだけれど」
 未来が今言うのはこのことだった。
「柴崎君相手は」
「それがいないんだよ」
 全く気付かないまま答える彼だった。
「どうしたものかなって思うけれど」
「そうなのね。わかったわ」
 笑顔になり頷く未来だった。そうしてだ。
「それじゃあまた」
「あっ、よかったら」
 しかしだ。達央はここで勇気を出してだ。
 そしてだ。こう未来に言ったのである。
「いいかな、よかったらさ」
「よかったら?」
「あっ、何でもないよ」
 言いかけたところで止めたのだった。自分でだ。
 そして顔を真っ赤にさせたままだ。こういったのであ
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