6.お別れをしに来たんじゃない
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ウントで艦これにログインしてみた。パソコンの隣には冷たい麦茶、その反対側にはスマホ。麦茶が入ったコップには水滴がたくさんついていて、最近がもう夏真っ盛りの様相を呈してきているのが分かる。
『鈴谷だよ! 賑やかな艦隊だね! よろしくね!!』
「はーい。よろしくおねがいしますよーっと」
鈴谷の挨拶にテキトウこの上ない返事を返してしまう。だってなんだか返事しないと申し訳ないような気がしちゃうんだよね。このまんまの姿の鈴谷がほぼ毎日うちに来てる手前さ……
さて、編成を少しいじってみるとしよう。通常のレベルキャップが確か99だから、それより上のレベルの子を探せばいいのかな。艦娘のリストを見てみる。以外にもレベルが99より高いキャラはすぐに見つけた。見つけたのだが……
「……あれ?」
レベル127のキャラクターの名前がいることは分かる。光り輝く指輪のグラフィックが表示されているから、きっとこの子がレベルキャップを開放しているのも分かる。だが、そのキャラの名前は表示が消えていて、それが誰かはわからなかった。
「なんだこりゃ? バグ?」
試しにそのキャラをクリックしてみる。いつもならクリックすれば、キャラの容姿が表示されて『変更しますか?』的なUIが表示されるはずなのだが、今回はそのキャラをクリックしてもUIすら表示されない。クリックできないみたいだ。
――ぴーひょろろ〜……
ほらきた。なんとなく鈴谷からメッセージが届きそうだったからスマホも持ってきたんだよ。どれどれー……
『かずゆきごめんねー。まだ立ち直れてないみたいなんだ。ちょっと今は秘書艦は勘弁してあげて』
なんでこんなジャストタイミングでジャストな内容のメッセージを飛ばしてくるかねこの子は……ひょっとして盗聴盗撮の類でもされてるんですか……?
『かわりに鈴谷が秘書艦やってあげるからさー。オールナイトで出撃しよ?』
僕は即座にブラウザを閉じ、パソコンの電源を切った。
『ぇえー?! いいじゃんオールナイトで出撃しようよぉぉおおお!!』
『いいから寝なさいッ!!』
『鹿島さんからもかずゆきと仲良くしなさいって言われたし!!』
『それとこれとは別だッ!! 明日も来るんだろ?! 寝ろッ!!』
『ちぇ〜……』
でもさー……鈴谷が言ってることと、爺様の艦これのゲーム内容がいちいちリンクしてるのはどういうことだ? ……まぁいいか。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ