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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第43話
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られるとロイドは答えにくそうな表情をした。



「んー、ダメだったらガマンするけどー…………」

「い、いや………そうじゃないんだ。この病院に泊まるのはキーアだけなんだよ。」

「そーなの?それじゃあロイドたちはどこに泊まるのー?」

「俺達はいつも通り、支援課のオンボロビルだよ。でも、毎日ちゃんとキーアの顔は見に来るから―――」

キーアの質問に答えた後、説明を補足しようとしたが

「ヤダ。」

「………え。」

キーアは説明の途中で否定して説明を中断させ、そして椅子から立ち上がった。



「………ロイドたち、キーアのことをヨソのコにしちゃうつもりなんだ。キーア、いらないコなんだ!」

「そ、そんな訳ないだろ!?」

「少しの間だけここで泊まるだけよ。その後は、今まで通りみんなで一緒に暮らせるわ。」

自分達を睨むキーアにロイドは真剣な表情で答え、レンは説明したが

「そんなの知らないモン!ぎるども、びょーいんもキーア泊まりたくないモン!」

キーアは聞く耳を持たず、ロイド達を睨んだ後走ってロイド達から離れ

「キ、キーア?」

「ロイドのばか!!」

自分の行動に戸惑っているロイドを睨んで大声で叫んだ後、走って部屋を出て行った。

「ちょっ、キーア!?」

「クス、怒らせちゃったわね。」

「ああもう………すみません先生。せっかくの話でしたけど………」

キーアが部屋を出て行った後レンは小悪魔な笑みを浮かべ、ロイドはヨアヒムに謝罪した。



「ハハ、あの調子だと無理強いはかえって逆効果だね。まあ、結果が出るかどうかもわからない検査入院だ。キーア君が落ち着いてから改めて検討してみたらどうだい?」

「はい………」

ヨアヒムに尋ねられたロイドは頷いた。

「まあ、記憶が戻るのを気長に待つのもいいだろう。何かあったら相談に乗るからいつでも連絡してくれたまえ。こちらも記憶障害について幾つか症例を調べておくよ。」

「………ありがとうございます。」

「………その時はよろしくお願いします。」

その後研究棟を出たロイド達はキーアを捜し始めた―――――



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