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もてないのがいい
1部分:第一章
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「ああ、E組の花村さんな」
「あの娘だよな、テニス部の」
「そうだよな」
「いや、違うけれどな」
 何故か必死になって言う彼だった。
「あの娘。E組の花村未来さんじゃないぞ」
「自分で言ったじゃねえか、今」
「フルネームまでな」
「しっかり言ったな」
「くっ、それは心の錯覚だよ」
 言い逃れになっていない言い逃れだった。
「いや、耳の錯覚だよ」
「錯覚は目だろ?」
 クラスメイト達の突っ込みは実に厳しかった。
「何で心や耳が錯覚なんだよ」
「勘違いとか聞き間違いだろ、その場合」
「何処まで焦ってるんだよ」
「あれだよ。俺は別に花村さんなんかな」
 何故か手にしている雑誌をしきりに慌しくめくり尚且つ顔中から汗を流して言う達央だった。

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