34話 狂宴 3.10
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は声が詰まった。ダグラスは自身の席の左肘かけのところにアクリルのボタンカバーがあった。それをゆっくり開け、アムロへ告げた。
「さて、私の役目はここまでだ。現政権から我々をクーデターやテロとしか呼ばんだろう。この攻撃の最高責任者たる私はここで散るとしよう」
アムロはダグラスが自決すると考えた。アムロはそれを止めようとは考えなかった。彼に待ち構えているのは死刑確実な軍法会議。どのみち辿るならば彼の意思を尊重した。
アムロはやることがあった。デルタプラスをウェイブライダー形態になり、通過した航空部隊をダカールへの空爆を防ぐため追撃にその場より飛び立っていった。それをモニターで見送ったダグラスはボタンを押した。すると周囲が緑白く光り輝き始めた。ダグラスは動揺した。
「な・・・なんだ。自爆ボタンだと聞いていたのだが」
ダグラスの機体は巨体だったが、胸部がパラパラとメッキが剥がれ落ちる様に砕けて、1機のモビルスーツとなった。外見は同じ黒色だが、機体の顔に角が生えていた。ダグラスは呆然としていた。するとダグラスの乗るコックピット内に液体が流れ始めた。謎の水没だった。
「な・・・なんだと、ゴブッ・・・溺れ・・・ガバ・・・」
ダグラスは謎の液体を飲み込み、気を失った。その後ダグラスの眼が見開き、その目には怒りの炎が伴っていた。
「アア・・・ユルサナイ・・・レンポウ・・・」
残敵の掃討の為、北側の防衛ライン部隊はダグラスの機体が鎮座し佇んでいるのを確認した。
「いたぞ!残党だ」
周囲に30機程がダグラスを取り囲んだ。その部隊員の女性がダグラスの機体から緑白い輝きのモヤが見えた。
「ん・・・何か見えたが、これは一体・・・」
その瞬間その部隊員は絶対的な危機を感じた。
「みんな!急いで離れなさい!」
自分の周囲や後方にオーバーリアクションで危機を知らせた。その呼びかけに周囲の隊員達らは嘲笑した。隊長のハインツ・ベア少佐が心配そうに声を掛けた。
「気が狂ったかマッケンジー中尉。この戦力で起動すらしていないモビルスーツに何を恐れる」
そう話し掛けられたクリスティーナ・マッケンジー中尉は首を振り否定をした。根拠のない否定だった。
「いいえ、アレは恐れる必然があります。アレックスの起動実験でアムロ中佐へ引き渡す前に乗ったあの感覚がそれ以来残っていて、それがあの黒いモビルスーツに致命的な危機を知らせているんです。この倍以上の戦力でも太刀打ちできない!」
「アムロ中佐のねえ・・・。あの英雄の操縦技術は確かに卓越したものだがそんな摩訶不思議な事は中々信じ難いもんだがね」
ベア少佐はサイコフィールドを相手にした戦いを経験したことがなかった。クリスも同様だった。彼らは連邦首都防衛に
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