暁 〜小説投稿サイト〜
忘れ形見の孫娘たち
5.脳を溶かしてくる系女子
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の区別がつかなくなっているのではあるまいな……

『……その二人、ひょっとして仲悪い?』
『あれ? 加賀さんと瑞鶴さんのこと知ってるの?』

 うーん……怖いなー。件の二人がではなくて、今の僕自身が。

『だから今からそっちにつくまでの道のりが怖いよー。ギクシャクしそう』
『まぁがんばれ』
『かずゆきー。むかえにきてー車で。BMでガマンするから』
『断る』
『ひどっ……まぁそんなわけで明日もよろしく! また明日連絡するね!!』

 そのメッセージのあと、お月様のスタンプが鈴谷から送られ、その日のやり取りは終わった。僕はスマホを充電器につなぎ、布団に寝転んで天井を眺める。

 天井を眺めながらフと思い出した。確か艦これというゲームには、独特なレベルキャップ開放システムがあった。確かケッコンカッコカリとかいう名前だ。そんな名称だから、全国の提督の中には、レベル上限開放以上の意味合いを持っている人も多いと聞く。うちの爺様はプレイ歴は長いようだが……誰かそのケッコンカッコカリしているキャラクターはいるのかな?

 ……まぁいいか。明日にでもちょいとまたログインして調べてみるとしよう。今日は眠いから寝る。僕は電気を消して布団に寝転んだ。おやすみ鹿島さん……

――ぴーひょろろ〜

 ……なんだよ人がこれから寝るっつー時に……誰だ? 鈴谷か?

『どうせなら鹿島さんじゃなくて鈴谷を思い出しながら寝てね〜』
「人の寝入りばなの邪魔をするな鈴谷ッ!!!」

 僕は怒りに任せて暗闇に向かってスマホを投げた。スマホは画面を天井に向け、暗い室内を画面の明るさで眩しく照らす。その様子は、なぜか僕に鈴谷のムカつく笑顔を思い出させた。

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