5.脳を溶かしてくる系女子
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」
もうガマンならん。気が付くと僕の口は僕の制御を離れ、鹿島さんの名を呼んでいた。
「よかったらまた来てください! 爺様もいますし、ここなら気も紛れると思います!」
僕の理性は『紛れるわけがないだろう』と必死に叫んでいるのだが、僕の口が言うことを聞かない。今となりでチューペットの容器を膨らましたりぺたんこにしたりして暇そうにしている鈴谷なんかどうでもいい。鹿島さん。また来てくれ! そしてまた僕の脳を溶かしてくれ!!
「そうですね……」
鹿島さんは手に自身の顎を乗せて色っぽい頬杖をついたまま、チラッと鈴谷の方を見た。鈴谷は空になったチューペットの容器をしぼませたり膨らませたりして遊んでるようだった。
「? 鹿島さんどうしたの? ぷくー……」
「……やっぱりやめとこうかしら」
「なぜッ?! ココに来てはわがまま言い放題、傍若無人な鈴谷よりも、あなたのほうが随伴役にふさわしいッ!!」
「ひどっ。ひゅぼっ……」
口ではそういいながらもさしてショックは受けてないように見える鈴谷を尻目に、鹿島さんは優しい微笑みをたたえて僕を見つめる。見せてくれ鹿島さん。その眼差しを僕にもっと向けてくれッ!
「……和之さん?」
「はい」
「鹿島は練習巡洋艦です」
「はぁ……」
「……でも、和之さんの練習には、付き合えません。ね?」
ほわっつ? 鹿島さん意味がわかりませんが……?
「鈴谷? これでいい?」
「へ? なんで? ぷくーひゅぼっ……」
僕と同じく鹿島さんの言葉の真意がいまいち読めなくてボー然としている鈴谷に対して、鹿島さんはかわいくウィンクをしていた。
その後は思い出話で花を咲かせた後、鹿島さんは鈴谷と帰っていった。帰り際、鹿島さんからは
「明日から、また鈴谷をよろしくおねがいしますね」
と改めて随伴役交代をお断りされた。なんてこった……爺様に完敗だ……。
さて、夜はもう恒例となりつつある鈴谷とのメッセージのやり取りになる。鈴谷は自分たちの施設に戻った後、鹿島さんに『がんばって』と言われたそうだ。
『別にがんばることなんてないんだけど。なんだろうねぇ』
『わかんないよ……僕に聞くんじゃなくて本人に聞きなよ……』
『聞いたよ。そしたら色っぽい顔と声でさー』
――くすっ…… 和之さんに聞いてみて
『てさ』
『意味が分からん……』
なんか鹿島さん、爺様への挨拶が終わった時ぐらいから意味深なセリフが多いね……
『それはそうと、明日は二人連れて行くから』
『なんて子?』
『加賀さんと瑞鶴さん。二人とも正規空母』
反射的に『艦これ 加賀 瑞鶴』で検索かけてしまう自分に危機感を覚えてしまう。まさかとは思うけど、現実とゲーム
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